ネットニュースで目にした京都のニュース。何と4年連続で日本人客の数が減少しているというのです。一方で増加の一途をたどる外国人観光客。国内旅行といえば真っ先に名前があげられる京都。老若男女を問わず愛されてきた古都です。
このままでは京都が全く変わってしまいそうです。
日本人が愛した京都の魅了
京都といえば、古いお寺や京町屋が醸し出す落ち着いた雰囲気が魅力でした。それが外国人客であふれており、地元の高齢者などは出かけるのを控えてしまうほどだとか。すでにオーバーツーリズム状態だということです。京都も例外ではなかったのです。
オーバ―ツーリズムについて思うこと
日本の古都としての京都は、日本人にとって格別な場所だといえます。長い年月によって培われた文化。そこには「静」という言葉がよく似合います。ところが現実は全く違ってきているのです。
現在最も込み合っているのが祇園、東山、嵐山、二条城周辺などの中心部。このあたりは日本の修学旅行生たちもたくさん訪れるところでもあります。いままででも賑やかだったところが、海外からの観光客が押し寄せることで、ごった返しています。のんびり散策などもはやありえないのです。
京都が壊れていく?
海外からの観光客に人気なのは嬉しい反面、あまりにも混みあうようでは、京都本来の姿が無くなってしまいます。現に宿泊施設の建設が、町屋をも蝕んでいるようですから。
私は京都では庭園巡りをしたいと思ってきました。しかし落ち着いて庭を眺めることができなければ、京都まで行く意味がありません。
たばこの吸い殻やごみのポイ捨てなどで、古都の姿は激変しているようです。観光公害にあえぐ京都住民の嘆きには、人口減に悩む地方とはまた違った悲しさがあります。日本人に最も人気だった観光地の京都が、今では最も敬遠されているというのであれば、まったく皮肉なものです。
京都が壊れていきそうです。
苔寺は正しかった!
京都の庭園の代表が西芳寺、別名苔寺。この寺は見学者の制限をしています。正しい判断だったといえるでしょう。
大変美しい苔寺。中学の英語の教科書に載っていたのを今でも覚えています。いつかは行ってみたいと思いながら、いまだ実現せず。私が訪れるまで、美しさが保たれていることを願うばかりです。
実は西芳寺の庭園は、1977年までは他のお寺のように自由に見学できました。しかし観光客が多く訪れることから、苔への配慮、大型観光バスの出入りに対する地元住民からの苦情などから、今では「完全予約制」となっています。それも往復はがきのみでの受付です(希望日の一週間前必着)。
このインターネットの時代でハガキ予約ですよ。でもその頑固さが美しい庭園を守っているのですね。尊敬します。
これからの京都~制限も必要
観光で豊かになるかと思いきや、観光公害で暮しに支障が出てくる・・・これを想定外というのでしょうか。
日本人の大切な古のみやこ京都。ここまで観光客であふれかえっているのなら、西芳寺の例を参考に、ある程度の「制限」をかける必要はあるはずです。受け入れの許容範囲を超えているわけですから、このままの状態が続けば、京都の姿が激変してしまいます・・・いまでもそれに近い状態ですが。
京都が京都でなくなる前に、もう一度本来の京都の魅力を取り戻さなくてはなりません。少なくとも日本の若者たちに、もっと日本文化を堪能できるチャンスを与えてあげるためにも。