やまと尼寺精進日記(葉月)~尼さんたちは探検心とサービス精神満載

毎月欠かさず見ているEテレの「やまと尼寺精進日記」。月一回の放送だから、放送を見るたびに季節の移り変わりをはっきり感じます。今月は「葉月 夏のごほうび蓮日和」でした。もう8月も終わりなんですね。

今月も尼寺の台所からいろんなアイディアを頂いたり、尼さんたちのサービス精神をひしひしと感じたりの楽しい時間でした。

全てを頂く精神

夏になると現れる大きな野菜がとうがん。観音寺の台所にもやってきました。大柄な野菜ですが、一挙に使ってしまう方が良いそうですね。いったい何ができるのかと見ていると、見事に5種類もの料理が出来上がりました。

それも身だけではなく皮も、そしてなんと中のふわふわした綿まで調理してしまうのには驚きです。あれを天ぷらにしちゃうんだな~。

皮はニンジンと一緒にかき揚げに、そしてあの綿も天ぷらに。トウガンのシャーベットもありましたよ。お見事です!

大きなとうがんをもらったりすると、どうしたらいいか途方に暮れてしまう私にとっては目からウロコでした。

尼寺料理探検隊?

今回特に興味深かったのは、観音寺の台所では初の試みだというグリーンカレーです。いったいどんな風に作るのかと思って見ていると、これもやはり音羽流。

本場タイのエスニックカレーをイメージしていると、ちょっとした和風精進カレーという感じに仕上がっていました。

何しろ尼寺のお三人とも、本物のグリーンカレーを食べたことがないとか。しかしそれだからこそ、皆さんのアイディア満載で独特の音羽流カレーが創り出されるわけです。その過程を見るのがこれまた楽しいのです。

「グリーンカレーなんだから、グリーンのものを入れればいいんじゃないの?」といった思考の尼さんたち。これによりお寺の庭に生えている和製ハーブをたっぷり使って「緑のカレー」作りがスタート。

摘んできた植物をすり鉢ですります。これは尼寺お得意の作業。ココナッツミルクを入れるところは、一応本場と同じ。でも成熟味噌のたまりを入れてコクを出したり、焼いた湯葉やふを入れるところが尼寺ならです。

こういう過程を見ていると、料理は探検みたいなものだと感じます。未知の味を求めていろいろ工夫を凝らしていく・・・尼寺料理探検隊?といえるかも。

結果はといえば、皆さん美味しそうに、そして満足そうに「音羽カレー」を召し上がっていました。めでたし!

蓮という花

ご住職のお宝?大きな鉢で育った蓮の花が咲きました。泥の中でも清い花を咲かせるのが蓮ということで、仏教では尊ばれてきた花です。

どんなに悪い環境の中にいてもそれに染まらず凛として生きていく、という人間の生き方にたとえることができます。蓮のようになれたら良いのだけれどな・・・。


ご住職によれば、花は日の出前に切って生けた方が水揚げが良いのだとか。早起きが必須だね~💦。

お堂にフレッシュな蓮の花がい生けられました。花器の中にも泥を入れておくなんて~さすがご住職。やはり蓮の花はお寺によく合いますね。

珍しい物あれこれ

珍しい物事が見られました。潤子さんの家のお盆飾りや初めて見る「象鼻杯」です。

お盆飾り

今回の放送では、麓の潤子さん宅のお盆飾りを拝見できました。相変わらず立派な家ですが、仏壇前のお盆飾りもまたご立派。たくさんの果物や野菜のお供え物などを見ていると、何だか懐かしくなってきました。ここまで豪華なお供え物ではなかったけれど、以前はわが家でも少しばかりのお供え物をしていたものです。

音羽山近辺ではどこの家も、潤子さん宅のように賑やかなお盆飾りをするのでしょうか?ひょっとしてあの地域では、伝統的なしきたりが今もなお受け継がれているのかも知れません。

代々受け継がれてきた習わしを続けるのは簡単ではないはず。実際にそこに住むと仮定して、それらを面白いと感じるか、それとも面倒くさいと感じるかは分かれるところかも知れません。その土地への愛着の度合いにもよりそうですけれど。

象鼻杯

初めてみたのが「象鼻杯」。暑気払いに蓮の葉に酒を注いで飲むというものです。葉から茎を通って流れてくる酒を飲むというのですから、慣れないとちょっと大変そうです。

実際に飲みながら、3人ともゲラゲラ笑いっぱなしでした。実は皆さんこれが初めてだったようですね。これも番組のためにやってくださったのでしょう。

それにしても世の中には面白い習わしがあるものですね。

最後に

今月もたくさん発見があった「やまと尼寺精進日記」でした。

今回の象鼻杯のように、お寺では普段はやらないようなことを番組のために敢えてやってくださるお三方。見ていてつくづく思ったのは、下手な漫才トリオよりも一枚上ではないかと・・・。NHKも良い人たちを見つけたものです。

月に一度の楽しい番組ですが、撮影は何かと大変だと思います。それでも今まであまり注目されてこなかった尼寺と、そこで作り出される料理に目を付けたというのは当たりでした。NHKとお寺は、持ちつ持たれつということかな。

特別珍しいことは全くしないで、普段の尼寺の様子を撮影するだけというのでは、番組としては面白くないのでしょうか。それはそれで悪くはないと思うけれど。

くれぐれもお寺の方たちに撮影疲れが出ませんように。
やまと尼寺精進日記~日常の暮らしだから面白い
待ってました、やまと尼寺精進日記!

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