団体旅行の場合はあまりないと思いますが、私のように個人旅行者ですと、町などで見知らぬ現地の方たちのお世話になることがよくあります。そしてそのお返しはどこかでしたいと最近つくづく思うのです。
見知らぬ国にいるだけでも不安はありますから、道に迷ったりした時にはその不安は増すばかり。私などは大変な方向音痴ですから、これまでいろんな国で現地の人に助けていただきました。
道に迷うということは、その街を無駄に歩きまわりますから、それも同じところをね。今でもその風景が脳裏に焼き付いています。
今も思い浮かべるのが、グアテマラシティーでのことです。
私は夕方近くに町を歩いていました。アビアテカ航空のオフィスにリコンファームに行くためでした。
今ではほとんどの航空会社がリコンファーム（予約の再確認）は不要です。しかし私が中米の旅をしていた28年前には、航空会社にリコンファームをして、予約の便に乗る意思を示す必要がありました。これが無くなった今はとても楽になりました。
地図を見るとかなり近くに来ているはずなのですが、そのオフィスらしきものが見当たりません。だんだん夕方近くになり、アビアテカ航空のオフィスが閉まってしまいます。
いつまでも無駄に歩き回っていてもらちがあきませんから、道を尋ねることにしました。ちょうど巡回中らしき婦人警官二人に遭遇。迷わずお尋ねを。
ちょっとふっくらして貫禄のあるお二人は、快く私の質問に答えてくれました。男性の警察官よりも女性の警察官の方が、同性のせいでしょうか、なんだか安心感があります。
女性の旅行者は、何か困ったことがあったら、婦人警官が頼りになるかも知れませんよ。
何度も前を通ったマクドナルドやショッピングセンター付近の様子が、今も記憶に残っています。もちろん婦警さんのお陰でアビアテカ航空のオフィスが見つかり、無事リコンファームができました。
またメキシコでは、本当に何度も親切にしていただきました。道を教えていただいたばかりではありません。メリダの空港から市内行のバスに乗ったところ、近くにいた女性の方が、私の分まで運賃を払おうとしてくださいました。
慌ててお断りしたのですが、ああういときは親切を素直に受け取るべきだったのだろうかと、いまでもわかりません。
同じくメキシコで、グアダラハラのバスターミナルです。目的のバスに乗るために、ある入口から入ろうとしていた私。それはコインを入れてから開くゲートでした。
私のすぐ前にいたおばさんが、これまた私の分までコインを入れてくれようとしたのです。ここでも私はお断りしてしまいました。
旅行して遊んでいる身分で、他人様に負担をかけては申し訳ない、という気持ちが強かったからかもしれません。
にっこり笑って“Muchas gracias!”（どうもありがとうございます）とお礼を述べて親切をお受けするのもありかもしれませんが。こういう時、どうも遠慮してしまう性格でして～（笑）。
これまたメキシコのベラクルスという港町。バスで会った青年が、私が目指すホテルまで親切に案内してくれたのです。
厚かましさがなく控えめな青年。ホテルの前に来たら、名も告げず爽やかに去っていきました。かっこいいじゃないですか。今も忘れません。名前くらい聞いておけばよかったな～。
つい最近はニュージーランドのオークランドでまた見知らぬ人のお世話に・・。約束のバス停で迎えの高齢の友人を待っていたのですが、一時間近くたっても彼女は現れず。何度もメールで連絡をしたにもかかわらず返事なし。あいにくそのときの私のスマホは通話ができない設定。
途方に暮れた私は近くにいた若い女性に助けを求めました。彼女のスマホで友人に連絡をつけてほしいとお願いしたのです。
すると彼女は快くスマホを貸してくれましたが、友人宅は留守。そこで親切なその女性には心からお礼を述べ、友人が来るまで待とうと腹を据えました。
ところがその若い女性は、そのままでは私が友人とずっと会えないのではないかと心配し、一緒に友人の車を捜してくれたのです、交通の激しい通りで。
や～申し訳ないやらありがたいやら。しばらくしてようやく友人の車がやってくるのが見えました。協力してくれた女性の時間をいただいたことに恐縮すると同時に、このご親切は決して忘れまいと思いましたね。
オークランドは何度も訪問しており、友人とは簡単に会えるだろうと甘く見ていたのです。しかし到着直後の思わぬ冷や汗でした。後で高齢の友人に、スマホでメールが見られたのでは？と聞いたら、「それは知らなかったわ」だって（笑）。
まだまだ行くところ行くところで、現地の方々のお世話になってきました。見知らぬ国での親切は身に沁みます。
みなさんへのご恩は直接お返しできませんが、今度は自分が困っている旅行者のお役に立てたらと願う今日この頃です。
