自然災害と海外旅行について

北海道のみなさま、体調は大丈夫でしょうか。すでに朝晩は冷える季節ではないかと思います。北海道出身の友人がいますが、彼女の驚きとショックはかなり大きいようです。

私は20代の頃、友だちと二人で道東を旅したことがあります。澄んだ青空と静かな秋の風景が今も目に浮かびます。あれ以来の北海道ファンです。

来年あたり再訪をと思い始めていたところにこの事態。心が痛みます。まだ余震の不安もありますから、みなさまくれぐれもお気をつけて。

地震を知らない外国人旅行者たち

日本人で地震を知らない人はまずいないでしょう。しかし外国人で地震を知らない人はかなり多いと思います。

同じ地球上に住んでいても、地震や台風に悩まされない国々がありますから。日本ほど台風や地震に見舞われる国も珍しいのかも知れませんしね。

それでもこの小さな島国を訪れてくれる人たちには、災害に巻き込まれ辛い思い出だけで帰って欲しくはありません。

初めて体験する地震や台風災害に言語の壁。かれらの動揺はさぞ大きいことでしょう。大地が大揺れするわけですから大変なことですよね。

「魅力のある日本、けっこう自然災害もあるけどしっかり情報提供しているからね」という意味では、観光庁から出ている「Safety Tips」に注目。

これは外国人向け防災情報無料アプリで、地震速報や津波警報、気象特別警報などの情報を提供しています。日・英・中(簡体字/繁体字)・韓国語の5言語で対応しています。

近い将来はスペイン語やポルトガル語も増やして欲しいと思います。

各国の日本向け観光パンフレットには、ぜひこの「Safety Tips」の案内も載せていただきたい。決して旅行者の不安を煽るためではなく、不安を減らすためにです。情報が全くない状態というのはすごく不安です。

先日の大阪北部地震や京都北部大雨、台風、そしてこの北海道地震。

日本で旅行中に被災された外国人旅行者は多いですが、これに懲りずに、いつかまた日本に来て欲しいと思います。安心して観光してもらえるように、日本はもっと努力しなければね。

帰るところがあるから旅行する?

私は楽天的な方だと思います。しかし自然災害の多い日本に住むためか、「どこで何が起こるかわからない」という思いはいつも心の片隅にあります。日本国内はもちろん、海外にいてもです。

旅行というのは、ほとんどが非日常を求めて行うものだと思います。しかし今回のように旅行先で災難に遭遇した場合は、「早く家(日常)に帰りたい」と思うのが自然でしょう。

結局は「帰るところがあるから、安心して旅行ができる」というわけですね。

実は東日本大震災のとき、私は家族とマレーシアを旅行中でした。

ホテルのテレビを付けたら、あの信られないほど大きな津波の映像が現われ、ことばを失いました。NHKの武田真一アナウンサーが乱れた髪も直さず、懸命にアナウンスしていたのを覚えています。

ちょうど夕食に出かけようと思っていた私たちですが、ショックで食欲が半減。外国にいて自国の大惨事を目にするのが、あれほど辛いものだと初めて知りました。

旅行の大前提

あの時、私たちはたまたま中部国際空港からの往復でしたので、予定通りの帰国便に乗ることができました。しかし羽田行きも成田行きもすべて欠航。

目的地の空港が使えないときは、当然予定の便はキャンセルになってしまいます。もちろん被災地からは出発もできず、また被災地へ帰ることもできないというわけです。

旅先で災害に遭遇して動きが取れなくなるかも知れません。Wi-Fi環境などにもよりますが、連絡可能ならば、まずは「生きています」メールを家族に送ること。

それだけでも家族の心配は減るでしょう。何といっても身内が「生きているのかどうか」が一番心配ですからね。

国内外を問わず、旅行というのは交通機関をはじめ、電力、水道など、日常のすべてが正常に動いていることが大前提。そのうえで初めて成り立つものだということを再認識しました。

日程を決めずに「気ままに旅をする」のであれば、それほど焦らないでしょう。しかし限られた日程で移動する旅行者がほとんどだと思います。みなさんが無事家に帰れますように。

北の大地の復活を応援します!