有給休暇を取るための作戦

よく聞くのが「海外旅行に行けたら良いですね~、でも~」です。この「でも」の後はたいていが「休みが取れなくて」なんです。

昨日も個人クリニックで働いている20代の女性から「海外旅行に行きたいけれど、休みが取れなくて」というお悩みを聞いたばかり。

大手企業ではGWや夏休み、年末年始とまとめて休みになるところが多いですね。それに有給休暇をくっつけて長期休暇をとり、遠くへ飛ぶ方も多いと思います。長期とはいっても10日とか2週間・・・。日本人としては長い方でしょう。

ただしヨーロッパの人々の休暇と比べてはいけません、長さの基準が違います💦。

今自分がいる環境で、どうしたら「空港から飛び立って、最低一泊でもいいから現地で滞在し、どうしても見たいところを見て、再び飛行機に乗り、無事帰国する」ための「最低限の休暇」を取るための作戦です。

都会で働く人が、LCCで0泊2日で行く週末台湾日帰り旅行などは例外ですよ。地方組には無理だから。

私なりに考えてみたのですが、けっきょくは「自分を変えるしかない」というところに至りました。だってね、職場を変えることなんて無理だから。

職場の環境や雰囲気を変えるほど影響力がある人であれば、数日の有給休暇が取れずに悩むなんてありえないからです。

事前準備

行先と日程を決めたら、根回しを。
自分の近くから攻めましょう。もちろんできるだけ早めにスタート。

職種によりますが、たいていは自分が休んでいる間は、他の同僚に自分の仕事が行くはずです。ですから直接影響を受けるであろう同僚をまっ先に味方につけるのです。そして徐々に主任→課長という具合に進めます。

そしてめでたくOKが出たら、出発まで笑顔でしっかり働きます(出発までじゃなくて、いつもだけど(笑))。

そして出発前日はもちろんしっかり働き、職場を出るときは「よろしくお願いします。行ってきます。」と大きな声で職場の人たちに挨拶。笑顔を忘れずに!

職場を出たら仕事場のことは一切忘れて、心を旅行モードへ

勇気を出して休暇を申し出てみたら

私の知人の例です。

彼女はある小さな事務所に就職したばかりでした。有給休暇はまだありませんでした。

ちょうどそんな時に、お姉さんが安く行けるイギリス旅行の話を持ってきました。一週間ほどの短い旅行。もちろん彼女は行きたかった。

でも就職したばかり。むろん有給もなく、行けないと諦めていた彼女。そこにお母さんから「社長に言ってみればいいじゃない」のひとことが。

お母さんのひとことに従い、その小さな事務所の社長に旅行のことを相談した彼女。何と、結果はOK! それもそのはず、その社長は以前、旅行雑誌に係る仕事をしていたこともあるとか。

その社長夫妻もたまに海外旅行へ出かけているようですから、彼女はラッキーでした。上司が休暇を取ってくれると、部下も休みを取りやすくなりますよね。

とにかくダメもとでも、言ってみるものです。

ただしこれは、たまたま社長の理解があった成功例です。

彼女いわく「給料は安~いけれど、休みはわりと取り易い」ということでした(笑)。

浮いた存在になればしめたもの?

比較的休暇が取れる職場でも、お盆や年末年始に皆で一斉に休暇を取るのが普通でしょう。でもそれも何だかな~、なんて思うのが私のような変人。

大勢の人が一緒に休みを取る旅行シーズには、航空券もホテルも高いし、おまけにどこも混み合います。それでも休暇が取れて旅行ができるだけでも幸せではありますが。

カレンダーの連休に関係なく、旅行に出たいときに休暇が取れるのが良いですよね。もちろん仕事の繁忙期は避けるのが前提ですけれど。

みんなが休む時には出かけずに、世の中が静かになったら旅に出かける、というスタイルを確立できるのが理想。「あいつまたどこかへ行くのか?」なんて言われるようになったらしめたものです(笑)。

職場でちょっと浮いた人になれば、チャンス到来です!

海外旅行への第一歩

自分だけ休みを取っては目立つのではないか?とか、職場の人たちに迷惑かかるのではないか、はたまた同僚たちに悪く言われるのではないか?なんてことを思ってはいませんか?思っているからこそ悩むのではないでしょうか。

そんなことを思っていたら、いつまでたっても飛び立てませんから、絶対に!

でも仕事は失いたくないし~。もちろんです嫌ですよね。海外旅行に行くたびに職を失っていては、それも一週間や10日の旅行でですよ、身が持ちません。

考えてみてください。もしあなたをクビにしてしまったら、その職場ではまた別の新しい社員を雇わなければなりません。仕事に慣れるまでまた時間が必要です。

ですから、短期旅行を申し出たとしても、即「クビだ!」なんて宣告されるケースは、それほど多くはないかも(統計はなし)。甘いかも知れないけれど、そう考えられませんかね?

とりあえずは「休暇下さい。一生懸命働きますから!」が、海外旅行の第一歩です。

もしダメだったら

勇気を絞って休暇申請をしたけれど、却下された・・・。
残念ですが、その時は取り合えず諦めましょう。
がっかりですが仕方がない。

だた決してこれで諦めてはなりません!
却下されたら「あ~残念です!」と明るくひとこと吐きましょう。その後で「いつなら有給がもらえますか?」と問いただしてみてはどうでしょう? あくまでも明るくね。

何事もやってみなければ(言ってみなければ)わかりません。
何もせずに、初めからダメだと思っている人が多いような気がします。一度や二度の失敗でめげないで!

まとめ

休暇を取りやすい職場と取りにくい職場があるのは事実です。前者は良いとして、後者が問題です。

もし運悪く後者に勤務しているならば、休暇が取れないから海外旅行なんて行けない、と嘆いていても何も変わりません。ただし職場の雰囲気を変えるのは至難の業ですよね。

こうなったら少しばかり自分の性格を、無理やりでも変えてみること。「明るい図太さ」を身につけて交渉し、めでたく休暇をゲット。そうすれば海外旅行が実現です。成功を祈ります!

楽しい旅を!

追記

長期休暇がなかなか取れない、取らない?日本の社会。でもつい最近こんな例がありました。

自分が前例になってみる

地方の大手企業に勤める50代の男性です。今度3週間ほど休暇を取って、アメリカの美術館巡りをするのだとか。10数年前のハネムーン以来の海外旅行、それもゆったり?ひとり旅です。

彼の会社では永年勤続手当として、リフレッシュ休暇と金一封が支給されるのだそうです。そのリフレッシュ休暇に有給休暇を足して今回の3週間の旅行計画ができたというわけです。

とはいってもこの会社は外資系でもなく、地元の人が多く働く典型的な日本の会社です。したがって今回の3週間の休暇願いは、おそらく彼が初めてらしいのです。でも実際にOKされたわけです。

この男性の考え方がなかなか柔らかくて感心しました。

「自分が前例になればいいと思う」というのです。というのは同じように永年勤続で休暇をもらっても、休暇を取っても3~4日の人がほとんどで、彼のように3週間の休暇願を出す人は皆無だとか。もちろん有給休暇はたっぷり残っている人がほとんどです(男性)。

「定年まで残り限られた期間。今は後輩を育てる時期に来ているから、自分がいなくても職場が回るようでなければならない」と彼は言います。なるほどね~。職場って自分がいなくても、けっこう動くもんなんですよね。

「休みなんて取れない」という呪縛から解かれよう

上の例は大手企業に勤める社員の一例でした。だから「自分にはどうせ無理だ」なんていう中小企業社員のぼやきが聞こえてきそうです。

でもよく考えたら、この世の中何も大手企業だけではありません。それどころか中小企業が日本経済を支えているといっても過言ではありません。

だから中小企業の人たちが、しっかり有給休暇を取れるようになることが、本当の意味での「働き方改革」実現になるのです。

最もよほどのブラックでない限り、有給休暇はあるはずです。それを根っから「取れない」と信じ切って取ろうとしないケースもあります。

平日のたった二日でさえ「取れない」と信じて疑わなかった友人。社長に言ってみたらすんなりOKが出たようです。まあ、そんなもの。「休みなんて取れない」という呪縛から解かれるのが先決かも知れませんね。

ただしどのような職場でも、有給休暇をスムーズに取るには共通の条件があります。それは・・・日頃から「真面目に働いている」ということです(笑)。お忘れなく!