ひと粒の栗の実が一本の栗の木に!

また栗のお話です。今度はわが家の栗の木です。

この秋、初めてわが家の栗の木がそこそこ実をつけました。去年も一昨年も5~6粒しか取れませんでしたが、今年は小さなバケツに軽く一杯ほど収穫できました。自宅の庭で育った栗で作る栗ご飯は格別です。

今から5年ほど前のことです。以前近所に住んでいた知人の家に大きな栗の木がありました。ところがそのお宅が引っ越すことになり、土地を売り出す前にその大きな栗の木も伐採する運命に・・・。

毎年とても良い実がたくさんなっていましたので、知人も私たちも残念でしたが仕方がありませんでした。

選ばれた一粒の実から芽が出た

ただその知人夫妻によると、良い栗の実を選んで土の中に埋めておけば、芽が出てやがて木に育つというのです。何となく理屈はわかるのですが、そんなに簡単にできるのだろうかと半信半疑でした。

でも物は試しということで、いただいた栗の中でも、つやのある一番大きい実を選んで鉢に埋めておきました、ほとんど期待せずにね。

そして冬が過ぎ暖かくなった頃、栗の実を植えておいた鉢を覗いたら、何と芽が出ているではないですか!けっこう感動しましたよ。

というのはあの実はてっきり土の中で腐っているだろうと思っていたからです。植物って強いものですね。

栗は異品種二本を植えるのが良いらしい

数か月後、30~40センチほど成長した頃に庭の片隅に移植しました。そのときも自宅の庭に栗が育つというのは、まだ想像できませんでした。

自宅の庭で栗拾いをするのが子供のころからの憧れでした。しかし実際に小さな栗の苗を植えても、本当に育つとは思えなかったのです。

栗は一本よりも、異品種を二本植えた方が実が付きやすいそうです。

でもうちの鉢から芽が出たのは一本です。せっかく植えても、実つきが良くなければがっかりだし、わざわざホームセンターでもう一本を買うほどでもないか、などと迷っていました。

だいいち芽が出た栗の品種がわからないから、異品種を捜すのも無理。どうしたものかとしばらく悩みました。

隣の庭に注目!

しかし世の中ってうまくできているものですね(笑)。実はうちのすぐ隣の家に二本の栗の木があったのです!

もうかなり大きくなっています。おそらく最初に異品種を二本買って植えたのでしょう。それも両方とも我が家の庭の境に植えられており、うちの幼木のすぐ近く。わざわざもう一本買う必要はなかったのです。

それにしてもたったひと粒の栗の実が、今では3~4メートルに育ち実をつけ始めました。「桃栗三年柿八年」といいますが、我が家の栗の場合は5年かかりました.

でもあまり期待していなかったのが、よくぞここまで育ったと思うと感動です。

私はあまり木丈を大きくしたくないので、中心のてっぺんを切りました(芯抜きというらしい)。でも周りの枝がまた育ってきたので、バッサリと切ろうと思います。

どこを切ったらいいか全くわからないので本を買ってみました。でも読んでも全く理解できず、ますますわからなくなるばかり💦。本の写真や図に載っている栗の樹形と自宅の栗の樹形とはかなり違うからです。

「子供を育てるのと同じ。テキストを読んでもダメ。感性で切っちゃえばいいの!」という近所の方の言葉を信じ、ウンチクは無視して伸びた枝をバサバサ切りました。その結果がこの秋に反映されたようです。

今年もまた切りますよ~(笑)。栗の木はあまり考えないで枝を切っても大丈夫だと、どこかで読んだような気もしますしね(自分に都合のいい言葉は素直に信じる)。

栗は鉢植えでも育つ

栗の木は地植えが普通だと思いますが、鉢植えでも育つそうです。庭がないからとあきらめている方は、ぜひ挑戦してみてください。庭植えと違ってコンパクトですし、害虫対策も楽だと思います。

土質にはあまり気を使わなくても良いそうです。市販の土を使う場合は、7~8号サイズの鉢に赤玉(小粒)7:腐葉土3の割合です。また二年に一度の植え替えで、根詰まりを防ぎます。

栗の花の匂いは独特

植えた後の成長が楽しみな栗ですが、栗の花の匂いは独特です。わが家の栗の木は庭の端にあるため、あまり臭いは気になりません。

私自身あまり気にならないほうですが、うちの姉はあの匂いが苦手だそうです。近所にある栗の木から漂ってくる栗の花の匂いがきつくて、気分が悪くなるのだとか。

姉の場合は極端かも知れませんが、匂いに敏感な方は、自分の生活圏から少し離れたところで栗を育てるのが良いかも知れませんね。収穫時にはもう匂いはしません。

育てる楽しみと食べる楽しみ

もしスーパーで買ってきた栗の中にとびきり良い実があったら、鉢かプランターに植えてみませんか?

ある程度のスペースがある庭をお持ちなら、芽が出たら地植えに挑戦してみてください。上手くいけば三年で栗拾いができるかもしれません。

三年たっても実がならなくてもあきらめず、待っていれば数年後に実をつけてくれることでしょう。

面倒くさがり屋の私ですが、ナイフで皮をむきながら栗を食べるのは楽しいです。今年は自宅で拾った栗の皮むきですから嬉しさは格別。あなたも育てる楽しみと食べる楽しみを体験してみませんか?

「たった一粒の栗の実が、よくここまで育ったものだ」と、庭に出るたびに感動している嬉しい秋です。
今年の栗