やっぱり紅葉は赤色がないとね!

10月に突入です。自分が生まれた月でもあるためか、一年の中で最も好きな月です。

9月だとまだ残暑が残り汗ばむ時があり、11月だと今度は時雨れて暗い空模様が続きます(日本海側の場合)。だからその間の爽やかな貴重な一か月というわけです。

ただ今年は大きな台風が次々と日本列島を襲ってくるので、被害が気がかりです

秋といえば京都・奈良

この季節になると京都や奈良に旅をしたくなります。

秋といえば紅葉。紅葉といえば京都や奈良。というのは京都・奈良のお寺とその周りの紅葉の風景とのコンビネーションが最高だからです。

私は日本庭園が大好きなので、日本庭園の紅葉なんてたまりません!もちろん秋に観光で訪れるみなさんも、紅葉の風景を楽しみにしているはず。

二十代の頃、11月の初めに友人と二人で秋の京都に旅をしました。関東よりも関西の方が紅葉は遅いですから、古都は紅葉真っ盛り。

二人でさんざん歩き回ってたどり着いたのが紅葉で有名なお寺(名前の記録も記憶もなし💦)。清水寺や金閣寺といった有名どころと違って、地域のお寺という感じでした。しかしあのときの紅葉の美しさは今でも忘れません。

もちろん紅葉がきれいなのは京都・奈良だけではありませんね。日光・鎌倉・十和田湖など日本全国で見事な紅葉が楽しめます。もちろん身近なところにも。この時期は日本にいなければ損!

ザルツカンマーグートの紅葉

今から16年前の11月初め、オーストリアのザルツブルクを訪れました。現地バスツアーに参加してザルツカンマーグートへ行ってみました。ドイツ在住の友人に勧められたからです。

私はバスの窓からずっと静かな晩秋の風景を眺めていました。でもいくら見ても期待していた「紅葉」が目に入ってこないのです。

どこまで行っても黄色い木々ばかり。私がイメージする真っ赤な紅葉はついに見ることができなかったのでした。紅葉といえば真っ赤なもみじでしょう!

ザルツカンマーグートはオーストリアでも指折の美しさを誇る湖水地方。冷たい空気はすごく新鮮で、空気の良さはピカイチでした。でもね、やはり湖を囲むアルプスの山々の色は黄色一色。正直あのときは、どうも納得しないままザルツブルクに帰ってきたのでした。

もみじは秋の象徴

アルプスの美しい紅葉?を期待していただけに、黄色いだけの山々を見て、私はいささか不満だったのです。もちろん風景は美しく空気も新鮮でしたから気持ちは良かったですよ。

ただ刺激がない・・。私にとっての紅葉は、日光や京都で見た真っ赤なもみじの紅葉のこと。燃えるような赤でなけりゃダメなんです。

ヨーロッパの人たちはあんな退屈な「紅葉」を眺めて楽しんでいるのだろうかとさえ思えたほどです。そもそも紅葉や花見などというものへの思いは、日本人が特別に強いのかも知れませんね。

だから私が抱いていた日本式の「紅葉」というイメージとは違ったザルツカンマーグートの黄色一色の風景に、少しばかりしらけてしまったのです。「紅葉」は紅の葉と書くほどだから、やっぱり赤色が欲しいんです。

それにしても日本の紅葉はなぜあれほど鮮やかなのでしょうか。聞くところによれば、日本の落葉樹の種類はヨーロッパなどと比べてかなり種類が豊富だとか。

なかでもカエデの赤い色素が日本の秋を他の国にはないほど鮮やかな風景にしてくれるのです。懐石料理などに添えられる一葉のもみじ・・・。秋の象徴です。

モミジやナナカマドなどの見事な赤色ですが、あれはアントシアンという色素のせいだそうです。

寒くなると光合成が衰え有害な物質が増えます。そこでアントシアンが有害な物質を抑えてくれる働きをするのです。赤くなるのは、植物の中でアントシアンが一生懸命働いているからなんですね。

燃えるような真っ赤な紅葉風景が見られるのは日本にいるからこそなのだと、晩秋のアルプス地方で知ったのでした。

やっぱり紅葉には赤色が入らないと絵にならないな。