衛生観念の違いとその不思議

先ほどいつものスーパーに行きました。

買い物を終え、カートを元のところの戻していた時のことです。後ろから「それ、いいですか~?」と優しい声が。ふり向くとひとりの女性がほほ笑んでいました。30代くらいの方かな?
もちろん喜んで使い終えたカートを彼女に差し出しました。

その直後に思ったのです。あの優しそうな女性は、きっと心の許容量も広い方なのではないかと。それには理由が~。

店の入り口に消毒剤!

というのも、このスーパーマーケットの入り口には、スプレー容器入りの消毒薬が置いてあるのです。お客さんが店内に入る前に手を消毒できるように、というサービスの一環です。

最初これを目にした時は、日本はここまで来てしまったか~と驚きました。だってね、スーパーの入り口でいちいち手を消毒して入る国なんて、他に聞いたことがないですよ。

実際、この店に入る前にその消毒液を使っている人を見た記憶はありません。私も一度も使ったことはありません。ただ私がこの店を利用する時間帯は、平日の午前中。買い物客のほとんどか高齢者です。夕方や週末などは、もっと若い人が多く利用するはずですから、消毒液はもっと減るのでしょう。年代によっても「きれい」の観念が違いますから。

他人が使ったカートは使いたくないという人がいるかも知れません。手に触れる部分を消毒してから使うとかね。だから私が使ったカートをそのまま使ってくれた先の若い女性に、何だかほっとしたというわけです。

衛生観念の違い

清潔感覚というのは、人によってけっこう違いますよね。

年齢層による違い

年齢層による違いはしっかりあると思います。戦前生まれと平成生まれの若い人たちの感覚にいたっては、相当違いますからね。戦争をくぐり抜けてきた世代と、抗菌グッズで囲まれた生活をしている平成世代。衛生感覚の違いは歴然でしょう。

最近は他人(プロ以外)が作ったものが食べられない人が増えているとか。これは衛生だけが原因ではないように思います。人間同士の信頼感の喪失とかね。深~い何かが潜んでいるのかも・・・。自家製の赤飯やおはぎなどを他人に差し上げることなど、簡単にできなくなってきたのでしょうか。何だか寂しい時代だな。

私は戦後の昭和生まれですが、公衆の女子トイレで気になることが度々あります。隣の個室から「ガラガラ、ガラガラ」と響いてくる音です。トイレットペーパーの使用量のすごさを想像すると、どうしても憂いてしまうのです。

ケチな事を言うようですが、やっぱりもう少し考えないとね。毎回ガラガラやっているお嬢さんが、もし海外でホームステイしたとします。日本と同じようにガラガラやって、あっという間にトイレットペーパーをワンロール消費。ホストマザーから警告発生ほぼ間違いなし!

家庭環境の違い

育った環境の違いは大きいと思います。特に両親がきれい好きだった場合は、子供もきれい好きになる可能性が大きいはず。でも片親がきれい好きで、もう一人がだらしない場合は、子供はどちらの親の性格を受け継ぐかで、きれい好きかどうかが分かれることでしょう。


知人があるお宅を訪問した時のことです。中に案内されたのですが、入るとすぐに、そこの奥様に「手を洗ってください」といわれたとか。わりとずぼらなその知人は内心驚いたようです。そのお宅の奥様は大変きれい好きな方だったのです。

玄関を見れば、その家の清潔感のレベルが伝わってくるのではないでしょうか。玄関がごちゃごちゃ散らかっていると、台所やトイレもそんな感じ。その逆も然りです。

国際間における衛生観念の違い

人による衛生観念の違い。でもこれが国と国になると、国内における違いなんてものではありません。それは実際に現地の人たちと「暮す」ことで実感することになります。

おそらくツアーではその実態を知らずに帰国することになるでしょう。そしてヨーロッパの街並みは美し~いなどと、きれいな思い出だけを持って帰ることができるのです。

ところがちょっとでも現地の人と一緒に暮らすと、日本人には信じられない衛生観念の違いを肌で感じることになります。ホームステイや国際結婚をすることにより、「えっ?」という体験をしている人が多いのです。

靴を脱ぐ国と脱がない国の違い

日本の家庭では玄関で靴を脱ぎます。外観が洋風であっても、必ずと言っていいほど靴を脱ぎます。しかし西洋の国々では靴のまま家で過ごすのが普通です。たとえ家で靴を脱いではいても、日本人が靴を脱ぐという感覚とは少し違うような気がします。だいいち一人が靴を脱いでいても、誰かが靴を履いたままだったりしますからね。ごっちゃです💦。

靴を脱ぐ日本では、食事をするテーブルの上に猫や犬が乗っかることは許されず、こどもが乗っても叱られます。ところが靴を脱がない国々では、ネコなんかがテーブルに乗って眠っていたりしますしね。学校の先生なんかでも、平気で靴のまま机の上にのって壁に絵を貼りつけていたり・・・。日本の先生だったら一応靴は脱いで上がるのでは?

極めつけはキッチンです。私がニュージーランドに滞在中、日本の人と会う度に話のネタに上がったのが食器の洗い方。

日本では誰も疑問を抱かずに、食器を洗剤で洗ったあとは「水ですすぎます」よね。ところがその「  」のところが、ニュージーランドでは省略されていたのです。というか最初からすすぐという習慣がない。それが私たち日本人には信じられないことのひとつだったのです。

ただしこの「食器に残った洗剤をすすぐ」という習慣は、オーストラリアやアメリカ、ヨーロッパでなどでも一般的だということが後に判明。彼らは食器に残った洗剤のことなど全く気にしないのです。もっとも洗剤が原因で死んだ人もいないのですが。また節水の意味もあるのではという意見もあります。水が豊富な日本との違いでしょうか。

でもキッチンでね、洗った食器を拭く布きんがありますよね。あれを洗うときに、下着と一緒に洗濯機で洗うなんて普通なのだとか。幸い私のステイ先では、食器布きんは別に洗っていたので、それは目撃せずに済みましたが。

欧州在住の方によれば、フランスやドイツなどでも食器を拭く布きんは、下着などと一緒に洗濯機で洗うそうです。むこうの洗濯機は温度調節付きで、熱湯消毒をする感覚なのかも知れません。また乾いた後は布きんにもアイロンをかけるのだとか。これで一挙に消毒ですかね(笑)。ちなみあちらでは下着でもなんでもアイロンをかけるそうですよ。アイロンがけ大嫌いな私には信じられません。

別に布きんを下着と一緒に洗ったところで死んだ人もいないようだし(またこれ)、今度は私も布きんを手洗いせずに、洗濯機にポンと入れてしまおうかな~。でもやっぱりそこまでは修行?できていない日本人であります(笑)。

それにしても何事も慣れとはよく言ったものです。ニュージーランドで郷に従った結果、いつの間にか「すすぎ無し食器洗い法」に慣れてしまいました。その結果、帰国したての頃、家で食器を洗っていたときに、すすぎ忘れることがしばしばありました💦。

二層式の洗濯機を使っていた頃は、一応汚れ別に分けて洗っていたわが家。全自動にした時からすべて一緒に洗濯してます。でも生きてますよ~(笑)。これも慣れ。

まだまだいろいろありますが・・・大まかにいうと、どうも日本人の方が衛生に関しては神経質になり過ぎかと思うのですが、いかがでしょう? 湿り気の多い日本に対して乾燥気味の他の国々。気候の違いも影響しているかも知れませんけどね。

汚いよりは清潔な方が良いに決まっています。でもね、無菌状態の子は弱くなるって言うじゃないですか。ほど良い汚れの中で暮すことで人間逞しくなるのではないでしょうか。あくまでも程よい汚れね、ごみ屋敷は論外。

最終的な結論~死ななけりゃいい?

スーパーで会った女性の話から、何だか国際間の衛生観念にまで飛んでしまいました。

この記事を書きながら思ったのは、最終的には「死ななけりゃ良いじゃないか」ってことです。個人間そして国際間における衛生観念のギャップを緩和してくれるのは「慣れ」だと思います。人間慣れる動物ですからね、慣れれば気にならなくなることが多いものです。

衛生観念に敏感過ぎると、いつもイライラしていることになりかねません。他人にも「清潔」を要求したくなるからです。心に多少のゆとりは必須です。

ただし靴を脱ぐ脱がないなどというその国に根付いた長~い文化は、どうしても捨てられないですよね。だから海外に住む日本人の方でも、家に入るときには必ず靴を脱ぐという暮らしを続けている人が多いのだと思います。靴を脱いだほうがやっぱりくつろげるんですよね~日本人は。
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