今朝思いもよらず、うぐいすの初鳴きを聞いてしまいました。買い物から帰り、荷物を持って家の玄関を開けようとしたときです、「ホ~ホケキョ」という鳴き声が聞こえてきたのです。なかなかいい声で鳴いていましたよ。すご~く得した気分。
「ホ~ホケキョ」はオスの鳴き声だった
うぐいすは春告鳥ともよばれるように、俳句の季語にもなっている鳥です。本当に良い声で鳴きますよね。でもあの「ホ~ホケキョ」という鳴き声は、繁殖期のオスだけなのだとか。
知らなかったな~。てっきりみんなで歌うのかと思っていたら、男性ソロだったわけですね。でも本当に良い声を聴かせてくれます。人間世界の代表として感謝したいです。
あの「ホ~ホケキョ」という繁殖期のオスの鳴き声に対して、繁殖期以外のオスやメスは「チッチッチッ」という地鳴き(平常の鳴き方)になります。
うぐいすの谷渡り
ところで「うぐいすの谷渡り」というのをご存知ですか。「ケキョケキョケキョ」という感じの鳴き声です。それは文字通り「谷から谷へ」あるいは枝から枝へ飛び移るときの鳴き方です。
このような鳴き方をしているときは、縄張りへの侵入者に対して警告を発している時なのです。
そういえばときおり「ケキョケキョケキョ」と鳴くのを聞いたことがありました。
うぐいすといえば即「ホ~ホケキョ」と結び付けがちですが、いつもそう鳴いているわけではないのですね。実際には夏の終わりごろまで「ホ~ホケキョ」と鳴いているようですが。その後は「チッチッチッ」・・・。
初鳴きの時期
うぐいすはけっこう環境適応能力にたけている鳥らしく、日本全国に分布しています。山はもちろん、平地でも笹の多い林や藪に生息します。
最近では林や藪が減っているわが家の周り。それでもうぐいすの声が聞こえるのは、椿が多いからかもしれません。お寺やわが家の椿の木あたりから、いつも声が聞こえてくるからです。
お寺もうちも椿は切らない方が良さそうだな~。
初鳴きですが、㋁下旬に九州でスタートし、徐々に北上。そして4月下旬に北海道に到達します。うぐいすの「初鳴き前線」といったところですかね(笑)。
うぐいすの糞
あんないい声していても、うぐいすだって生き物。排泄物を出します。その排泄物である「うぐいすの糞」が人間にとっては宝にもなるのです。
wikipediaによれば、うぐいすの糞は「加水分解酵素が含まれ、顔に塗ると角質層が柔らかくなり、小じわが取れたり肌のきめが細かくなり、くすみが取れる」ことから美肌美白効果があるのだとか。そのため洗顔料やニキビ治療薬として利用されてきたようです。
ただしうぐいすは飼育数も限られ、糞も少ないため、本物のうぐいすの糞はかなり高価。市販の「うぐいすの糞」関連商品の多くは代替鳥?のソウシチョウの糞を原料にしたものだそうです。
うぐいすと人
うぐいすやそれに関することばは俳句や和歌などにも多く使われています。それだけひとの生活に影響がある鳥であることがわかりますよね。ホーホケキョという鳴き声で、私たちは何かと心を癒されますから。
しかし、しかしです、あの「ホーホケキョ」という美しい声も、山間地に住む人にとっては、ただの「うるさい声」になってしまうときもあるようです。むろん人にもよりますが・・・あまりにもたくさん鳴いているからだそうです。
何と贅沢な、と思いますけれどね。まあそういうこともあるということで・・・💦。
最後に一首・・・「鶯の声を聞きつるあしたより 春の心になりにけるかも」(良寛)
うぐいすの声を聞いた朝(あした)から、春の心になったよ~という意味。
今朝「ホーホケキョ」を聞いた私も、「春が来た~」と思いましたからね。やはりうぐいすは春告鳥でした。