読売新聞(9/28付)の19面を開くと、「英語話す姿勢、児童に示す」という記事が目に入りました。
2020年から小学校の5・6年生で英語が教科化されるのだとか。また歌などで英語に親しむ「外国語活動」というのが3・4年生に前倒しされるそうです。今年からが移行期に入ります。
英語教育って日本の永遠なる課題なのかな?新聞記事で英語授業に関する記事を目にする度に、そんなことを思います。
特に最近は小学校英語への注目が上昇中。ただ私は小学校の先生たちには、英語授業を担当することになっても、決して必要以上に悩まないで欲しいと思っています。
完璧を目指さずに
正直現場の先生たちの負担を考えると複雑です。ただでさえ日本の教師たちの労働時間の長さが問題になっているのに、英語ですか?
すでに積極的に英語授業を行っている小学校もあるようですが、現場での時間のやりくりにかなり工夫が必要でしょう。
ただしあまり堅苦しく考えないこと。おそらくほとんどの先生が普段は日本語で生活しているはず。英語は慣れない言葉ですよね。たどたどしくても、一生懸命に話そうとする姿を子供たちに見せることができれば、もうそれだけで上出来!
ネイティブの発音にこだわらないこと
現場の教師たちが抱く不安のひとつに「発音」のことがあるといわれます。英語といえば発音がよく話題に上りますからね。
もし英語を子供たちに教えることになれば、発音に自信がない先生たちが不安になるのもわかる気がします。
でもね、日本では発音、発音と言い過ぎではないかな、特に英語に関しては。ネイティブの発音にこだわると、いつまでも英語が話せないよ。
だいいちネイティブにはなれないし、なる必要もない!それにネイティブといってもイギリスやアメリカ、オセアニアでは発音やアクセントは違うことがけっこうあります。
小学生に教える場合、最低の基本さえ心得ておけば、あとは「通じること」を第一に練習していけばいいと思いますが、どうでしょう?
私が初めてニュージーランドに行ったときのことです。現地の人たちの英語がなかなか聞き取れずにがっかりしたものです。
それまで私が一生懸命聞いていた英語は、学校でもNHK講座でもほとんどがアメリカ英語でした。だからニュージーランドの人たちが話す英語のリズムに調子が狂ってしまったわけ(笑)。
もっとも現地で出会ったカナダ人観光客たちも「私たちもよくわからないのよ」と言っていたくらい。だから英語の発音やイントネーションも国によっていろいろってこと。
先生は英語を利用して生徒たちと楽しんだら良い
スポーツでもなんでも「楽しんで!」なんていうのが最近は流行っているけれど、小学校の英語こそ楽しんではどうだろうか。
英語は国際語だなんていわれても、しょせん日本人にとっては外国語。だから小学校での英語は遊びのような感覚で、思い切って楽しんでしまうのもひとつの手ではないかな?
どんどん自分の英語で話す練習をするといいです。下手とか上手とか言っていないで、先生も生徒もワイワイ言いながらね。中学校でALTとゲームばかりやっているよりはましかも知れない。
なぜ小学校英語ばかりに期待するのかな?
しかしなぜ文科省は小学校英語にばかり期待するのだろうか?少しでも早く英語をスタートしたら英語ができるなどと本気で信じているのだろうか?
残念ながら日本はシンガポールなどとは状況が違います。学校で週にちょこっと英語をやったからといって「ペラペラ」になんてならないんじゃないかな?
表面上の「英語ペラペラ」に憧れることを止め、通じる「日本人の英語」をしっかり身につけた方が効率が良いと思うのだけれど。
私はちょっと変人の傾向があるから、世の流れと少し方向がずれるところがあります。
だから小学生英語のことよりも、今も変わらぬ中学生・高校生の英語力のことがやっぱり気になるのです。彼らが小学校のころから英語を始めていれば、もっと英語が「話せる」などとは到底思えません。何かが違う気がして・・・。
文科省は「小学校から英語を始めれば英語ができるようになる」と本当に考えているのだろうか?先生と生徒たちの間で、事が上手く運んでくれれば良いのだけれどね。そう願ってはいます。
小学校の先生たちへ
よ~く考えてみて欲しい。先生たちも大学入試だなんだと英語と係ってきたはず。
なかには英語は苦手だった方もおられるでしょうが、少なくとも何も知らない小学生よりも、英語の知識はあります。自信を持って欲しいですね。
いつも一緒にいる先生が、堂々と英語で話していれば、子供たちも勇気が出るはず。日本人の発音で構いません、通じるかぎりは。
くれぐれも小学校の先生たちは、英語授業のことで悩み過ぎないように。体に毒!