ひとは誰でも初めてのことがあります。仕事もスポーツも、誰だって初めてのときは不安ですし上手くいかないもの。慣れていないのだから当たり前。雪国の人間から見たら信じられないけれど、一センチやそこらの雪で滑って転んでしまう太平洋側の人たち。これも慣れていないのだから仕方のないことです。そして旅行も・・・
今日は私の友人の体験をご紹介します。これには私も絡まっていまして、ちょっと反省ありなんです💦。
10年ほど前にタイのチェンマイに行きました。マイレージを使ってシンガポール経由でチェンマイまで飛ぶことにし、航空券とホテルの予約を完了。相変わらずのひとり旅。
ところがしばらくして、私の旅計画の話を聞いた東京の友人から電話があり、彼女もチェンマイに行きたいというのです。私は快くその申し出を受けました。ただこちらはすでに飛行機もホテルも予約済み。ということは彼女は航空券もホテルも単独で予約する必要がありました。
旅の相方は、できるだけ人に頼らない人がベスト
彼女との旅は正解でした。ストレスフリーで楽しい時間だったからです。また「できるだけ自分でやってみる」という彼女の精神に感心したのもこの時でした。
一緒にチェンマイに行くと決めた彼女。実はハネムーン以来の海外旅行。初めてのひとり国際線の旅です。そのうえ彼女は100%日本語のみ使用可💦。
私もちょっと不安でしたが、彼女は自分で予約するつもりでいたので見守ることに。どうせ有名観光地チェンマイだから、「タイ航空で行けば簡単さ~」「日本人乗務員もいるし」といって彼女を安心させた私。でもそのことで後で反省することになろうとは~💦。
彼女は私の言葉を信じてネットでタイ航空を予約。そしてホテルは私と同じノボテル・チェンマイを予約しました。空港とホテル間の送迎もホテルにメールでリクエスト。最低限の英語で大丈夫だからと、これまた私の言葉を信じてリクエスト成功(素直すぎる)。
とかく「英語ができないから」などと他の同行者に頼りっきりの人がいるものです。しかし友人の場合はそれが全くありませんでした。そんな彼女だから一緒に旅しても楽しく過ごせたのだと思います。
現地ホテルで合流計画は成功したけれど
出発は別々の便で
出発前日は成田のホテルに前泊。東京在住の彼女は必ずしも前泊する必要はなかったのですが、一緒に前泊することにしました。部屋は別々。
出発前後に泊まる場合、旅の相方とは部屋を別々にすることがほとんどです。ゆっくり体調を整えるためにもその方が良いからです。ただし老いた父と旅するときは話は別ですが。
出発当日、私は友人に見送られ、一足先にシンガポール航空でシンガポールに向けて出発。そして彼女はタイ航空でバンコク経由でチェンマイへ。二人別々の旅立ちでした。
私はチャンギ空港のトランジットホテルで一泊してからチェンマイへ向かったので、友人の方が一日早く現地入りです。
彼女は必死だった
ノボテル・チェンマイには、できれば友人と隣の部屋にしてくれないかと伝えておきました。そしてそれはしっかり受け入れられ、友人と私は隣同士の広~い部屋で3泊過ごすことができたのです。チェックイン時にも「あなたのお友達はもうお着きですよ」と案内をしてくれました。最後までノボテル・チェンマイは心地よかったですね。
こうして私たちは無事ホテルで合流することができました。でも上手くいった~と思ったのは私だけ。上手くいったのはいったのですが、彼女から悲痛な報告が💦。
実は彼女が乗ったタイ航空の便はバンコク行きで、そこから先は他の便に乗り換えなければならなかったのです。国内線に乗り換えです。私はてっきりトランジット(乗り継ぎ)でそのまま同じ飛行機でチェンマイまで行くものだと勝手に思っていたのでした。何ということでしょう。
「タイ航空だもん、チェンマイまで連れてってくれるよ~。簡単!」なんて言っちゃて。全く適当なものです。彼女が頼ってこないから、楽々と構えていたのが失敗。チケットくらい見せてもらえば良かったと反省しきりでした。
彼女にあの広いバンコク・スワンナプーム空港での乗り換えが待っていたなんてね。「あぶら汗かいたよ!」と言っていましたっけ。すまなかったね!
不安なことがあったら、機内の日本人乗務員に相談するようにと言っておいたのですが、「忙しそうで声かけられなかった」と彼女。話しかけるタイミングがつかめなかったのでしょう。
あの広い空港・・・乗り継ぎ案内板の見方もわからないし、またそんなの見ている余裕もなかったのでしょう。どこへ行っていいのかわからず、汗かきながらうろうろしていたようです。入国審査も通らなければならなかったでしょうから、「簡単」じゃなかったのです。
慣れた人にとってはたかが乗り換え、でも彼女のように初めての場合は緊張しまくるかと・・・。それも外国ですからね。彼女の不安な状況を想像すると、いい加減な案内をしたことに懺悔の気分でした💦。
ただ友人の必死な体験を聞いたときの私は、悪いとは思いながら爆笑。というのも彼女自信が自分のあぶら汗体験を笑いながら話してくれたからです。
無事帰国後の笑顔
チェンマイでの私たちはのんびりピン川下りをしたり、トゥクトゥクで街に出かけたりと、大変楽しい時間を過ごしました。そして帰国時は、今度は友人が一日早く日本へ発ち、私は翌日シンガポールへ向けて出発。シンガポールを一日楽しんだ後帰国しました。
成田に到着後は、一足先に帰国していた彼女の家に一泊させてもらい上越へ。彼女の冷や汗談議に耳を傾けながら、本当に申し訳ないけれど再び大笑い。
復路のバンコクでもかなり大変な思いをしたのだとか。見かねた日本人のご夫婦が「大丈夫ですか?」と彼女に寄り添ってくださったそうです。同胞のありがたさですね。
そんなこんなで大変な往復体験をした友人ですが、何気に爽やかな表情をしていたのを覚えています。必死で何かをやり遂げた後の自信のようなものが生まれたのかも知れません。
ちなみにもし乗り継ぎなどでわからないことがあったら、近くの空港職員に搭乗券を見せて尋ねてみましょう。汗かきながらひたすら走り回るよりも、早い問題解決になるはずです。
良い旅を!