今月も忘れずに見たのが「やまと尼寺精進日記」(NHKEテレ)。毎月最終日曜日の貴重な30分。今月は「如月~すり鉢ごりごり春を待つ」でした。
2月はご住職の誕生日の月です。心温まる祝善の様子。そしてお寺の保険の更新のことにいたっては、あの尼寺も同じ現実の中にあるのだと知らされた回でした。
ごま豆腐作りに一時間!
今回は精進料理に欠かせないごま豆腐作りの模様を見ることができました。
中心は力持ちの副住職慈瞳さん。すり鉢でごりごり、ごりごり、何と一時間程もすり続けました。まさに修行ですね。最終的にはとろ~りクリーム状になればする工程は終了。
や~大変そうな作業でした。慈瞳さん汗拭いてましたもん💦。一生懸命作るとはこういうことなんですね。
そのごま豆腐のできですが、一口召し上がったご住職も満足そうな笑み。良かったです。
でもこうしたことは、自分が日頃やっていないから新鮮に見えるんですよね。ほんと全くやってない!たまにはごりごりやってみようかな。でも一時間は無理!修行の日でも設けない限り無理~。
お寺に保険屋さんが来た
何と今回はお寺に保険会社の人が来ていました。毎年この時期に更新するのだとか。火災保険だそうです。山から大きな岩が落ちてきたり、屋根に積もった雪が煙で溶け出してどさっと落ちてきたり~。いろいろ危険もあるようです。
いずれにしても山のお寺も現実の世界にあるわけで、保険かけてるんですね。
受け入れるという心の大きさ
いつもご住職の笑顔に心が癒されます。人、そして物をも受け入れてくださる雰囲気が充満。麓の人たちがあの急な坂道を登ってまで野菜などを運んでくれるのもわかる気がします。あの笑顔に迎えられると疲れが消えていくのではないでしょうか。
誕生日に副住職とまっちゃんに手作りのプレゼントをもらったご住職。満面の笑顔で嬉しそうでした。あげた方も嬉しかったに違いありません。
手作りの物ってもらって嬉しい時と困るときがありませんか?私は何度か困ったことがありました。自分の趣味に合わないものをいただいたときです。
本当に申し訳ないとは思うのですが、他の人にあげたり、しばらく置いた後処分(一応手を合わせて)という選択をしたり(さすが即処分をする勇気がなくて~)。
でもあのご住職なら、たとえ自分の好みではなくても、あの笑顔で受け取ってくださるのではないかとさえ思えてきます。心の中の受け入れスペースが広い気がしますから。
断捨離に夢中な人でも、ちょっと息抜きできそう
お寺のあちこちに小さな置物などがあります。もらい物かもしれません。正直今流行りの断捨離を取り入れれば、かなり少なくなるはず。でもそうはせずに大切に飾ってあります。「来るもの拒まず」ですかね。お寺の方たちの温かさが伝わってくるようです。
「使わないもの、不要な物は即捨てる」とか「最低限のもので暮す」というライフスタイルが脚光を浴びている今日この頃。そしてこういう暮らし方ですと、他人からもらっても気に入らない物なら速やかに処分することになります。
でもご住職が慈瞳さんからもらった毛糸の帽子とひざ掛けに目を細めて喜ぶ姿。そしてまっちゃんが作ったチロ(最近死んだ寺猫)の判子を押した手ぬぐいを見て涙ぐむ様子。
そんな光景を目にすると、人からもらった物に素直に感謝できるというのは、何と幸せなことかと感じました。この場合、もらう側とあげる側の需要と供給?が一致したってことなんだろうけれど(笑)。
「捨てる」とか「処分」という言葉が闊歩する時代。
自分の周りにある物すべてに愛着を持って暮すことができれば、ムキになって物を捨てまくる必要はない。ふとそんなことを考えてしまいました。でもそれには修行が必要かと・・・。
断捨離で忙しいあなたも、ちょっと手を休めて「やまと尼寺精進日記」で違う世界(日常ですが)を眺めてみてはどうでしょうか。ほっとするかも。