わが家の玄関先は鉢植えのバラで華やかになってきました。嬉しい季節です。
同時にずぼら式和庭園の緑に目をやると、これがけっこいういいんです。緑は目にも心にも優しい色なのだとつくづく感じます。
花も良いけれど、緑は必要不可欠。庭がなくても観葉植物が置かれている部屋やオフィスが多いことからも、ひとには緑が必要だというのがわかります。
緑が多めの庭はなんだか落ち着きませんか?私など気温が高くなるにつれて、特にそう感じるこの頃です。
今日久しぶりに近所の庭を訪問。奥さんが100本近くのバラを育てているお宅です。それほど広くはない敷地ですが、バラだけではなく、果物の木や様々な宿根草もあり、見ていてウキウキします。
草もけっこう伸び伸びとしていますが、フルタイムで働く奥さんですから無理はできません。でも草の緑が良いんです。それにタイムが良い具合にグランドカバーになっています。ほっとする庭です。
人も変わる、庭も変わる
雪国に住んでいると、春の訪れがそれは嬉しいものです。スイセンや桜、パンジーやビオラ、チューリップなど、色鮮やかな花々が咲き始めると元気が出ます。
京都出身の知人に言わせると、「雪国では春になると花がいっせいに咲きだす」とか。彼女がこちらに来たばかりの時にびっくりしたそうです。
そうかな~?気づかなかった。
いっせいに、とはいっても多少の時差はあるはずです。おそらく花たちも冬が終わるのをじっと待っていたから、春の日差しを受けて思いっきり飛び出す、という感じなのかな?人間も植物も春が待ち遠しいということですね。
東京からUターンしてきた27年前、ホームセンターで買ってきたパンジーやビオラなどを実家の敷地内に植え始めました。ちょうどあの頃はガーデニングブームとやらで、テレビや雑誌に華やかな庭がたくさん紹介されていました。
それに影響されたわけではないのですが、植物好きだったこともあり、殺風景な実家の敷地で私の「趣味の園芸」がスタート。
花が終わったらまたホームセンターに行って別の花苗を買ってくる、の繰り返し。でも途中からこれでは自分のエネルギーも財布も持たない、と悟りました💦。
それから徐々に庭の簡素化を進め、今ではパンジーもビオラもなく、バラと宿根草が主の庭になりました(雑草園園芸コーナー)。
庭の表情って変わりますよね。年齢、体調、もちろん好みの変化、生活状況、など様々な理由はあります。
素敵な庭がいつからか荒れていたり~そんなケースはよくあること。
庭の管理人さんが病気で入院中だったり、そのお宅の家族事情に変化があったり。その時の状態が庭に表れている例です。庭と人との関係は実に密接です。
日本庭園の人気
華やかなイングリッシュガーデン風の庭も素敵ですが、変わらぬ人気なのが京都のお寺などの日本庭園。若い人も外国人の方もたくさん訪れます。基本水と木と石で構成された凛とした空気が漂う庭です。
コロナ直前に訪れた京都の智積院の庭園。3度目の訪問でしたが、相変わらずの静寂さに癒されました。先客の外国人の男性がじっと庭を見つめていたのが印象的でした。「日本庭園の鑑賞法」を心得ている人ですね。もちろん他のお客さんも静かに鑑賞。
11月初旬の京都智積院 新緑の季節にも訪れたい!
ああいうところでは、皆が静かに庭を鑑賞していれば、次の人もまた静かに楽しむものです。たとえ一言二言でも、すご~く目立ちます、ほんと(笑)。それだけ静寂な雰囲気ですから。
作りやすく親しみやすい洋式の庭とは全く違うことから、日本庭園はかえって新鮮に感じるのでしょう。つつじやサツキなどのほかは緑色の植物がほとんどです。もちろん秋は美しい紅葉が楽しめますが。
今のような新緑の季節には、緑の多い日本庭園の風景は、私たちの心を落ち着かせてくれるに違いありません。
さいごに
「緑は目に良い」とはよく聞きます。これは科学的にも正しいようです。
人の目に見える波長(可視光線)の中で、緑は中波長で目に負担がかからない色なのだとか。なお最長波は赤で最短波は紫です。また色彩心理学から見ても緑は心をも癒してくれる色だそうです。
そういえば赤色は元気が出ますが、ずっと見ていると疲れるかも。その時の状況によって、赤や黄色で元気をもらいたくなったり、緑で癒されたり・・・。気分によって色の使い分け?をするのが良いようです。
緑が最も美しいこの季節、フレッシュな緑色に目と心をたっぷりとほぐしてもらうことにしましょう。