器も栄養素のひとつ?

食事をするときには食器を使います、普通はね。

日本人としては食器というよりも器(うつわ)といった方が、しっくりくるかも。

食べ物だから、「外身よりも中身が肝心」はその通り。ただその中身の味をいっそう引き立てるのが外身の器。

ということは器も大事な栄養素、ということに・・・。

つい最近、知人とラインで話しました。

彼女は病気で入院しているのですが、このご時世です、入院中にコロナ陽性反応がでたとか。彼女がいる4人部屋全員です。クラスターというのかどうか~。何といってもいろんな菌がいるのが病院だから仕方がないとも言えます。

そんなわけでただいま隔離病棟にいる知人。幸い症状は軽いほうで味覚もあるようです。食事は美味しいのか、と尋ねたら、味は悪くはないけれど、使い捨ての食器で味気ない、と返ってきました。

隔離病棟だから仕方がありません。ただ彼女の言うこともわかります。毎日使い捨て容器に入った食事だとつまらなくて、心の栄養にはならないのでしょう。

別に気にならない、中身が美味しければいい、と言う人もいるはずです。元気ならば。

でも病人はちょっとしたことで落ち込んだり、また逆に気分がアップしたりするもの。食器一つでも気分が違ってくるのかもしれません。

そういう私自身は毎朝ワンプレートミール💦。皿一枚なので洗い物が楽~。

懐石料理のような美しい食卓にも憧れますが、後で器を洗うことを考えると、決して自分にはできない仕事だと即諦めます。

ならばやはり使い捨てが簡単で良いじゃないかって?確かに簡単だけれど・・・。

人間は感情の生き物。あ~綺麗、とか美味しそう~、などという感情が脳から生まれ、気分が左右されます。

そんなことを思いながら母屋のキッチンにいたら、茶の間から流れてきたテレビの音声・・・NHKの「イッピン」という番組です(この番組は好き)。

ちょうど織部焼の話でした。その中で和食の料理人の方の話が印象的でした。「器は料理を引き立ててくれるもの」だということ。
nhk イッピン

なるほどね~。特に和食器は絵柄に季節感があり、大きさ、形も多種に及んでいます。料理を見た目でも楽しめる、「目で味わう」ことを可能にするのです。

そういえば「やまと尼寺精進日記」(NHK)の精進料理。見る度に、あ~綺麗!といってしまいます。料理と器の兼ね合いが実にお見事。

磁器が多く、シンプルなデザインが多い洋食器でも同様に目で楽しむことができます。真っ白な皿にピカピカのナイフとフォーク(私はいつになっても上手に使えない💦)。気分が上がります。

私は二十歳を過ぎたころ、寮からアパートに引っ越しました。しばらくして友達が遊びに来たので簡単な食事を出しましたが(メニューは忘れた)、その時に言われたことばは今でも忘れません。

「お願いだから、皿を買って!」でした。

実はあの時、キャンプのごとく、アルミ皿で出したような気がします。とにかく、隔離病棟のような使い捨て容器だったのです。簡単でいいと思って使っていたのですが、友達をがっかりさせてしまったのでした💦。

その後すぐに吉祥寺の雑貨店で皿を二枚買ってきたのを覚えています。あれから人様にはアルミ皿で接待はしないことにしました(笑)。

水だってプラスチックに入ったものと、素敵なグラスに入ったものとでは、気分がかなり違います。

そういえば飛行機の機内での飲み物。エコノミークラスでは、ワインなどはプラスチックのカップで出されることがほとんどです。でもビジネスクラスになるとピカピカのグラスで出されます。もちろんワインの銘柄もエコノミーとは違うのですが・・・。雰囲気が違います。ジュースでさえも。

まあエコノミーでも、飲めるだけでも十分満足なんですけれど(笑)。

ただ地上で、それも毎日使い捨て容器で食事をする、となると話は別でしょう。

前述の入院中の知人いわく「器も栄養素のひとつ」だと。彼女は今回の経験でつくづくそう思ったようです。

料理が一段と美味しく見える器~良いですね。

 

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