拝啓ギボウシ様

拝啓ギボウシ様

今日もお元気そうで何よりです。

大きな葉を存分に広げてわが雑草園の定位置に堂々と座るそのお姿。もうお見事と申し上げるしかありません。

今年に入ってからは緊急事態宣言が出され、何かと心がゆらゆらモヤモヤしている人間たち。それに比べてギボウシ様、あなたはコロナの影響などものともせず元気いっぱい!タフですね~。

思えばあなたをわが雑草園に迎えたのは、今から20年数年前でした。実家に戻ってきたばかりだった私は、殺風景な実家の敷地を華やかな庭に変えようと、ホームセンター通い。

ちょうどあのガーデニングブームが始まった頃でした。ホームセンターの園芸コーナーには、ペチュニアなどの色とりどりの花が並んでいました。そんな中で華やかな花々とは一線を画した葉物のギボウシ様。

予算はかけられないので、花苗のほとんどは198円狙いだった私。それなのにどうしたことか、ギボウシ様を見つけた時は、198のルールを破って素直に498円(確か)を受け入れてしまいました。ギボウシ様二株を購入。草花で一株500円も払ったのはこの時のみ。

何か庭の中にアクセントになるような変わり者が欲しかったのです。それがギボウシ様。それも仲間内では最も大きな葉を持つオオバギボウシ様だったのが後で判明。

しばらくして親戚の家に行ったら、池の周りに白い縞入りのギボウシ様を発見。住人には見向きもされていなかったその小ぶりのギボウシ様を一株もらってきました。

たぶんそれはスジギボウシ様。この方も環境が変わったにもかかわらず、わが雑草園で元気に増え続けて今に至ります。

その後バラを買い始めてからは草花の苗はほとんど買わなくなりました。今はそのバラも半数に減らし、庭の半分は家庭菜園に変わりました。

自分の嗜好が変ってきたのです。食べられる物を植えるようになりました💦。花は食べられないから~。

菜園を作る際にバラも整理しましたが、整理しきれない手ごわいものがひとつ・・・ギボウシ様。

今まで何度か株分けをして人にあげたりもしました。「ものすご~く強くて増えるからね!」とひとこと添えて(笑)。

ギボウシ様、あなたの強さは半端じゃない!株分けのときの私の苦労と言ったらもう大変だったんだから。

あなたの根の張り具合はすごい!のひとことです。シャベルで掘り上げようとしても、固い根っこがガツンとぶつかる。

涼しい秋に株分けをしていましたが、それでも汗だく。何とか掘り上げて株を分けるのですが、まるで材木を切るがごとく、のこぎりでごりごりと切り分けたものです。

株分けをしたのでボリュームは縮小したはずが、春にはまた思いっきり元気に成長開始。株分けしたことなどすっかり忘れてしまうほどのボリュームに。

ちなみにギボウシ様たちにとって世界で一番お気に入りの居住地は、この日本なのですね。いろんな種類のギボウシ様たちが日本に集まっておられるわけです。日本との相性抜群?

ギボウシ様はもともと東アジアに分布していたのが欧米に渡り、育てられるようになりました。雑誌などでイギリスの庭に育つギボウシ様を見て欲しくなり、買ってみたくなる日本人も多いらしいですね。かくいう私もその一人。

NHKの雑誌「趣味の園芸」をめくっていたらギボウシ様特集が目に入りました。日本では、ギボウシ様が庭に住んでおられるにもかかわらず、あまり見向きもされないことが多い。それに対して海外の庭ではギボウシ様はけっこう高価な存在らしいと知りました。

ギボウシ様の学名はHosta(ホスタ)、和名が「ぎ・ぼ・う・し」なんです。海外ではホスタと呼ばれていますが、やはり日本では「ぎ・ぼ・う・し」とお呼びしたい。

ギボウシ様は何といってもその素晴らしい葉が特徴。花はどちらかというと控えめなんです。6月上旬の今だとボタンやシャクヤクと一緒に行けるとすごく良いです。花を包むようにギボウシ様のグリーンが映えるんですよ。

改めてギボウシ様の逞しさと頼もしさを再発見し、無駄に広いわが雑草園でしっかり根を下ろしておられるのは誠に嬉しいことです。ただもうこれ以上の成長はご遠慮いただきたいもの。

管理人としては秋になったらまた考えることにします。体力があるうちに。

暑い夏が来るまでは、まだしばらくはギボウシ様の暮らしは安泰かと思われます。どうぞゆったりとお過ごしくださいませ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です