トランプ大統領は壁に執着?犬は地面を掘って逃げる、人間だって~

今日のNHKワールドを覗いたら「米トランプ政権非常事態宣言で壁建設へ 民主党猛反発」という見出しが目に入ってきました。

今更の話題ではないのですが、非常事態宣言にはトランプ大統領の意地が見え隠れしている模様。というのもこの壁建設はトランプ氏の公約だから。来年の大統領選を意識したとも言える「非常事態宣言」とも言われています。

議会の承認を経ずに建設を強行するというのは、大統領の権限乱用だと民主党は猛反対。

でも壁ってそんなに頼りになるのでしょうか。

川を渡って入国したウェットバックたち

現在アメリカ合衆国の人口の20%を占めているのがヒスパニック系です。そして不法入国の大部分がメキシコ人と言われています。貧困そして犯罪などから逃れるためにアメリカを目指すのです。

メキシコ国境沿いを流れるリオ・グランデ川。この川を泳いで渡り不法入国を試みるメキシコ人たちは、かつてウェットバック(wet back)と呼ばれていました。背中を濡らして川を渡ることからそう呼ばれたのですが、今では差別用語とみなされ使われなくなっているようです。

命がけで川を渡ってくる人たちです。壁を作ったからと言って不法入国を諦めるとは思えないのですが・・・。

ほら、犬は柵やドアの下を掘って逃げるじゃないですか、それと同じように壁の下を掘って入国を企てる人が出てくるのではないだろうかと思うのですよ。

最も私が考えるようなことは、米国政府も考えて対策を練るでしょうが。

(あ~突然ベルリンの壁のことを思い出してしまいました。壁って嫌だな。)

アメリカで見たメキシコ人

今から30年ほど前、私はメキシコ旅行が楽しくて仕方がありませんでした。

アメリカから国境の街ティファナ(メキシコ)を訪れた日本人の多くにとっては、メキシコの印象はあまり良くないようです。近代的なアメリカと比べて、どうしてもメキシコの貧しさが目に付くからです。

しかし飛行機を使い直接メキシコ内陸部から旅行をスタートした私にとっては、メキシコは大変興味深く楽しい旅先でした。メキシコをたっぷり楽しめたのです。

メキシコ旅行の帰り、カリフォルニアのサンタ・バーバラの知人宅を訪れたことがありました。大変大きな家に住む大学教授夫妻。広くて美しいタイル張りのバスルーム付きの彼らの寝室が印象に残っています。

その邸宅で私は家政婦のメキシコ人女性に会いましたが、あの時は少しショックでした。彼女がいじめられていたわけでもなく、仕事として働いていたのですが。

メキシコ本土でたくさんのメキシコの人たちと会い、メキシコを大いに楽しんできた私。そのメキシコ人のひとりがアメリカのエリート家庭で家事労働をしていることに勝手にショックを受けていたのです。彼らはお金を通して、使う側と使われる側であったにすぎないのですが。私はそんな環境に慣れない日本人だったのです。

ロス・アンゼルスの空港近くのホテルに泊まった時のことです。部屋のラジオからはメキシコのスペイン語が流れてきてウキウキでした。空港へはホテルのシャトルバスを利用。そのバスの運転手さんがメキシコの人でした。アメリカで仕事ができるのがラッキーという雰囲気でしたね。

アメリカの空港からメキシコ行の飛行機に乗るといつも目にしたのが、大きな荷物を持ったメキシコの人たち。本当に大きな荷物なんです。メキシコの家族へのお土産なのか、それとも商売用の品物なのか・・・。大きな段ボールを何個も持ってチェックインしている姿があちこちに見られました。

また機内荷物も大きくて~。よく許可されたと思いました。機内持ち込みサイズなんてまるで無視!今ではもっと厳しくなっているかと思いますが~。

ロスアンゼルス空港でのメヒカーナ航空の搭乗アナウンス。聞き取れないのです。搭乗案内ですから、それほど難しいことを言ってるわけではなかったはず。でも何を言っているのかわからない~💦。

リスニング力の欠乏かとがっかりしていたら、まわりの乗客(メキシコ人以外)から「何を言っているかわからないよ」という声が~。それほどスペイン語訛りが強い英語だったわけです。「これからメキシコに行くんだ」という気分にはさせてもらいましたけれど(笑)。

願わくばwin-winで

メキシコと国境を接している米国の州は、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサスの4州です。全長3200キロ。うち1000キロには何らかの壁がすでにできており、残りの2000キロ強に新たな壁を建設するというのです。

メキシコサイドから後をたたない不法入国者。その流れを止めようとするトランプ大統領の壁計画。当然ながら繰り広げられている賛否両論。両サイドの言い分はありましょうが、いずれにしても壁意外に何か良い方法はないものでしょうか。

現実には低賃金で働いてくれる不法移民は、アメリカ経済の支え手でもあります。農場や建設現場、食品加工工場、ホテルやレストランなどのサービス業など、主にアメリカ人が嫌がる肉体労働を担っています。だから持ちつ持たれつの部分もあるわけです。

いろんな思惑が絡み合う壁の建設問題。「入らせない」「遮断する」などのトランプ大統領的視点から、お互いにメリットのある、いわゆるwin-winの状況を作り上げる対策が望まれます。壁ではなくて帯状の美しい公園を作り、その整備係りを厳しい試験から選ばれたメキシコ移民に託すとか・・・。そこには両国の特産品市場を設けるとかね。

まあ私のような島国の凡人が考えるのは、そんなおめでたい事になってしまいます。

ただトランプさん、もう一度言いますが、犬は地面を掘るけれど、人間だって地面を掘るよ。だから壁ってどうかな~?

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