ずぼら園芸家のひとりごと

私は小さい頃から植物を育てることが好きでした。いまも庭仕事は楽しみますが、ずぼら園芸まっしぐら。除草剤も使ったりしますしね。今日はそんなずぼら園芸家のつぶやきです。

ガーデニングということばに抵抗し続けたへそ曲がり

「ガーデニング」ブームに乗って、あちらこちらの玄関に咲き乱れるペチュニアやインパチェンスといったカタカナの花たち。イングリッシュガーデンなどということばも生まれたりしました。テレビや雑誌でも、やたらと「ガーデニング」ということばが使われました。

子供のころからNHKの「趣味の園芸」を楽しんでいた私。もしNHKが「趣味のガーデニング」なんかに番組名を変えたら、もう見ないぞ~などと思ったものでした。一種の「ガーデニングアレルギー」だったのかも知れません。

20年以上前ですが、実家に帰ってきた当時、私も春にはチューリップやパンジーなどをたくさん植えて楽しんでいました。それらが終わったら、次に「別の花を植えなければ」というある種の義務感が生まれるのでした。頻繁にホームセンターに通ったのを覚えています。

経済的にも「こりゃたまらん」となり、今度は種から花を育てることにしました。小さな種が大きく育ち花を咲かせたときには、結構達成感がありました。そのころは、私の庭を見たひとに「イングリッシュガーデンだね」とよくいわれたものです。でもそれが嫌でね~。

なぜって、別に英国の庭を真似しているつもりはなかったから。結果としてそれ風になっていたのかも知れませんけれど・・・。いつも「別にイングリッシュガーデンじゃないんだけどね」と返事してしまうへそ曲がりでした。

英国出身のガーデンデザイナーのポール・スミザーさんにいわせると、「イングリッシュガーデン」という庭はないのだとか。イギリスといっても州によって気候や植生が違いますから、一口に「イングリッシュガーデン」と呼ぶものはないのでしょう。

園芸とガーデニングの意味を確認

日本で昔から親しまれてきたのが「園芸」。最近では「ガーデニング」ということばがすっかり市民権を得ました。両者は本当に同じなのか、もう一度確認をしてみましょう。

園芸は、主に植物を育てたり育種したりすることを意味します。一方ガーデニングは、園芸+造園のことです。いわゆる庭作りですね。

最近は以前のようなガーデニング熱は冷めつつあるようです。植物は生き物だから、それを育て続けるのが大変です。花が咲いている時は嬉しいけれど、枯れたら終わり~。また次の花の苗を買ってきて植える。その繰り返しに疲れたりするのかも知れません。

憧れの庭と現実の庭

自分が思い描く憧れの庭と現実の庭とはかなり違ってきます。

イギリスをはじめヨーロッパ風の庭。ターシャ・テューダーさんの広大な庭。どれも花がきれいに咲き乱れる美しい庭です。それらに憧れる日本人、特に女性、が多かったと思います。実際に努力の末、成功した方もおられるでしょう。

以前、市内で「オープンガーデン」を行っているお宅の庭を拝見ししました。たくさんのバラ、そして「イングリッシュガーデン」風の庭には何種類もの花が植えられていました。頑張って造られた洋風の庭という感じでした。

一緒に行った知人と私は、帰りの車の中で同じことを口にしたのです。見せていただいていうのも大変失礼ですが、「何だか蒸し暑い庭」というのが私たちの正直な感想だったのです。

夏は蒸し暑い日本海側。あれこれと込み合った洋風の庭では、植物が蒸れて夏バテしてしまいそうだったからです。

土地の気候に合った庭作り

ヨーロッパの庭のような植物を植えたくても、どうしても育たないことがけっこうあります。

私もデルフィニュームが好きで、何度も種や苗で挑戦しましたがダメでした。でもそれに似たチドリ草を近所の方からいただいて育てたところ成功。毎年こぼれ種で咲いてくれます。

北海道や軽井沢など、夏でも爽やかなところなら「イングリッシュガーデン」は実現することでしょう。私が住む日本海側地方では難しいです。

無理をせずにその土地に合った植物を選び、長い間楽しめる庭が良いと思うこの頃です。

魅惑のバラ

庭といえば、やはりバラを忘れることはできません。山野草中心の素敵な庭がありますが、そいうった庭には、あまりバラはありません。バラは華やかで目立ち過ぎるからでしょうね。

ニュージーランド滞在中、美しく咲くバラに魅了されました。それまでバラは花屋さんで買うものだと思っていましたから、一般家庭で美しく咲くバラを見て感動したのです。今思えば湿気の少ないあちらの気候にはバラ栽培は適していたわけです。

帰国後実家に戻り、スペースだけは十分ある庭に、少しづつバラを植え始めました。50本くらいは植えました。しかし肥料やりなども大変ですし、数年前に家庭菜園も行うことにしたのをきっかけに、思い切ってバラの断捨離をしました。

今では香りの良いイングリッシュローズを中心に、20数本を残すだけとなりました。つるバラはありません。ずぼら人間につるバラの管理は無理です。バラのアーチを作るなど考えられません。少ないバラをじっくり楽しむという方向に変えたのです。

スカスカのバラ園?
イングリッシュローズのグラミスキャッスル
緋衣

こうしてバラの花だけ単独で撮影して東京の友人に送ると、みんな「なんて素敵なバラ園!」なんていってくるから笑えます。別に騙しているわけではないけれど、現実を見たらがっかりするだろうな~(笑)。

それでもこの時期だけは、自分の庭から切ってきたバラを飾ることができるのは、ちょっとした贅沢だと自己満足に浸っています。

多年草が頼り

ずぼら人間というのはずるいもので、なるべく楽をしようとします。植えっぱなしで(ここが大事!)育つ多年草は本当に便利です。私の庭は多年草で持っているようなものです。

数年植えっぱなしの球根でも咲いてくれるユリも好きです。ただし放りっぱなしがあだとなり、今年は良くなさそうです。秋に花壇整理を兼ねて、球根も整理しなければ・・・。

家庭菜園部と共存

二年前に畑を手放したため、今では家庭菜園部と花壇部が共存中です。あまり色気のない庭です💦。

ずぼら庭の入り口

ローズマリーの向こうの網がかかっているのは苺畑

最後に

庭というのは最終的には「我流」になってしまうのではないでしょうか。あ~だこ~だと試行錯誤を繰り返しながら、だんだんと「自分でできる範囲内」での庭が出来上がるのです。そうでなければ長続きしませんしね。

バラの蕾が次々と開いてきました。殺風景な庭にも華やかさが少しは見られる季節です。あなたの庭はいかがですか?

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