NHKの「やまと尼寺精進日記」ですっかり人気となった奈良の音羽山観音寺。癒される、のんびり、などといった言葉が、皆さんの感想から聞こえてきます。
番組を見ていると心が和むので癒されるのは確かです。でもあのお寺の方たちの暮らしを見ていて、「のんびり」などということば思い浮ばないのです。
私の場合、どうしても現実的なことを考えてしまう癖がるようで、観音寺を訪れたらぜひ質問してみたいことがありました。
ボランティアで参拝客の応対をしている女性が、下界からの質問に回答してくださいました。
宅急便や郵便物屋さんはどうしているのか?
今や全国で知られるようになった音羽山観音寺です。全国の信者やファン?から荷物が届くことも考えられます。もちろん郵便物も届きますよね、普通に。
問題はあの坂道!
いくら郵便屋さんや宅配係りの人が若くても、あの坂道を荷物を持って尼寺まで運ぶのは酷ではないかと・・・。
答:荷物の場合は、途中まで運んでもらい電話連絡をもらいます。そしてお寺の方から荷物を取に行くそうです。あのモノレールで持ってくるのかも知れません。
手紙など軽いものはお寺までオートバイで届けてもらいます。そういえば私たちが上ってきたときもオートバイに追い越されましたっけ。
何しろ急な狭い山道です。オートバイも慣れた人でなければ危険だそうです。そりゃそうですよね、ガードレールのようなものも何もない坂道。横を見れば崖ですから。
ゴミ出しは?
尼寺では野菜は無駄なく調理されますから、生ごみは少ないはずです。しかし他のゴミはしっかり出ます。人が多く訪れるようになれば必然的にその量も増えますよね。
答:場所が場所ですから、下界のように決められた曜日にきちんとゴミ出しには行けません。大きな袋にまとめてゴミをためて、モノレールで下に運ぶのだそうです。
やはりゴミはけっこう溜まるようです。大変です。
お供え物を持って行くにしても、過剰包装のものは避けた方が良さそうですよ。お寺のためにも、ゴミを差し上げないようにしなければ(笑)。
ろうそくの火について
お寺ですから、当然お堂ではろうそくに火が灯されるはずです。ただ地震や何かのひょうしに火の灯ったろうそくが倒れて、それが原因で火事になることも考えられます。
下界であればすぐに消防署に連絡して消防車に来てもらいます。がこの尼寺は山の上、それも消防車が上れるような道ではありません。「火事になったらどうするの?」という疑問がずっと頭の隅っこにありました。
答:ご住職たちが朝のお勤めのときには、手前(観音様に向かって)のろうそくの火が灯されますが、お勤めが終えたらその火は消されます。
他のろうそくの明かりはついたままです。しかしそれは火ではなくて電気の光。安全のためです。
電気の明かりとは思えないほどよくできています。炎が揺れるている感じが実にリアル。本当の炎にしか見えない!
火事が一番心配だったので、少しほっとしました。やはりお寺でもちゃんと考えておられるのですね。何度も言うように、場所が場所ですから。
さいごに
いつも番組を見ていて疑問に思っていたことでしたが、実際に尼寺で質問に答えていただき、スッキリしました。
ただまた新たな疑問が湧いてきたのです。トイレのこと。
お寺でトイレをお借りしましたが、一応水洗でした。ただし紙は流せません。他のアジアの国々でもよく見らる使用後の紙入れの容器が置いてありました。
さすがに下界のような設備とまではいかないようです。それは良いんですが・・・排泄物はいったいどこへ旅していくのだろうか?そんな疑問が湧いてきたのです。
これは設備屋さんの専門だから、設備屋さんに聞けばいいのでしょうね。あの山の上ですから、近代的な暮らしをするとなると、その設備工事はさぞ大変なことでしょう。
いつかまた尼寺に行く機会があれば、その疑問が解決するのかな?
やまと尼寺精進日記~日常の暮らしだから面白い!