今日もまた新聞記事からです。
読売新聞の人生案内(1月26日付)でこんな相談が寄せられていました。「手土産をもらうのが苦痛」というもの。
他人様からいただくものは遠慮なくいただいてしまう私などは、この相談者のような悩みがあることに驚きさえしました。
もちろんときには自分の好みに合わないものを頂くこともあります。そんな時は正直がっかりしますけれど、それ以外は頂き物は嬉しいものです。しかし皆がそうだとは限らないようです。
相談者は50代の女性。趣味も会う仲の良い友人が、会う度に手土産を持ってきてくれるのが負担に感じてしまうのだそうです。高価な物ではないようですが、どうしても苦痛に感じるのだとか。
持ってくる側は、ひとに何かをあげるのが好きな性格のようで、そのことは相談者もわかっているようです。それでもやはり負担になるというのです。
回答者はスポーツ解説者の増田明美さん。
回答の冒頭に、増田さん自身も人に贈り物をするのが好きなタイプだと持ってくるところが上手いなと思いました。読む側は思わずクスっと笑ってしまいます。
増田さんのように贈り物好きな人は、もらって喜ぶ人の顔を想像すると嬉しくなります。でもそれが行き過ぎると「自己満足」になる、と彼女は反省の意味を込めていいます(笑)。
なるほどね~。私自身は特別贈り物好きでもなければ、頂くことに何の抵抗もない人間です。ただどう考えても人様からいただく方が多いような気がします、統計は取っていませんが。。
うちの近所に料理上手の奥さんがいます。以前、地区で市の広報配布係りをしていた時、夕方そのお宅に広報を配りにいくと、たいてい何かいただきました。エビフライとか天ぷら、煮もの、畑で取れた野菜など・・・。そのせいか「お前は物をもらうのが得意だな~」なんて父に言われたものです。
いや~決して「物をください」なんて顔をして歩いているわけではありませんよ。いくら何でもそこまで図々しくはないですから~💦。
ただね、料理上手な奥さんからしたら、私などろくなものを食べていないだろうとのお察しだったのかも知れません。実際そうなんです。だからアツアツのエビフライとか頂くと、すご~く嬉しいので、「ありがとうございます!!」と精一杯感謝しました。それだけ。
頂いてばかりで申し訳ないとは思うのですが、こちらからは差し上げるものが何もない💦。だからせいぜいお礼の言葉だけはしっかりとお返ししないと。
そういえばNHK Eテレ「やまと尼寺精進日記」の尼さんたちも、けっこうもらい上手だと思います。もともとお寺というところは、人々からのお供え物で生活しているところがあります。あのご住職の笑顔で「ありがとう~」なんて言われたら、またお寺に野菜を持って行こうか、なんて気持ちになるのでしょう。
ただし「人生案内」の相談者のように、人からもらうのが苦痛に感じる人がいるのは確かです。何ひとつとっても、感じ方はいろいろですから。
贈り物好きの人は「あげたい気持ち」にちょっとブレーキをかけて、たまには手ぶらで相手に会うのも良いかも知れません。
逆に私のようにいただいてばかりの人間も、ちょっと考えないとね。でも先述の奥さん宅へなんて、料理も野菜もこちらから差し上げられるものなど到底なし💦。温泉にも行かないから温泉饅頭も持って行けない(笑)。だから言葉で精いっぱいの感謝を表現するしかありません。
この相談者のように、いただいてばかりで苦痛と感じて「人生案内」に相談するほど悩む人もいれば、私のようにいただいてばかりでもほとんど悩まない人間もいる・・・。人間てやっぱり面白いですね。
回答の増田明美さんの最後の締めは、「私も、贈り物は相手の心の負担を考えようと肝に銘じました」でした(回答者が反省している)。上手い!