継続は力なり?

「継続は力なり」

日本人ならほとんどの人が知っていることばですよね。

何事も諦めずに続けていくことで、目標を達成することができる、ということ。勉強やスポーツなど、何事も日頃の努力を続けることで力が付いていくものだから、途中で諦めないこと大事。

ただこのことばがちょっとした毒？にさえなるのでは、と思ったりもします。

続けることは偉大

何事も上達するためには日々の努力が大事。そんなこと誰でもわかっていますよね。

せっかく始めたのに途中でやめてしまえばそこのレベルでストップ。スポーツでも音楽でも、上手になりたければ諦めないで練習を続けること。「続けること」そのものが能力といえるかも知れません。

外国語学習も同様です。

いくら早く英語を習い始めても、途中でやめてしまってはそこで終わり。おまけにそれまでやってきたことは消滅状態に・・・。

そうならないためには、自分で工夫して少しでも英語に触れている必要があります。

今日会ってきたドイツ人大学生。

彼は5年ほど前に交換留学生として日本の高校に一年間通いました。もともと日本のアニメで日本語を学んでいたので、日本語はかなり上達して母国へ帰国。

ドイツに帰ってからはなかなか日本語を話す機会がないといいますが、彼の日本語能力は全く衰えず。わけを聞くと、スマホで日本語を読んだりして、できる限り日本語に触れるようにしているとのこと。やはり「続けること」は偉大ですね。

時には続けないことも大切

継続することが大切なのはどの分野でもいえます。が時には継続しない選択もあるのではないでしょうか？

そんなことを言ったら何事も成し遂げることができないではないか、と言われそうですね。

もちろん子供や若者たちにとっては、途中で諦めずに続けることそれ自体がとても意味のあることだと思います。

でも人生後半組は、いつまでも継続は力なり、をお経のように唱えていても始まりません。

継続していることで少しずつでも力はついてくることが多いですし、それで満足ならばもちろんＯＫです。

時間は有限

英語を例にとります。

大人になっても英語学習に一生懸命な人が多いよう思います。仕事で必要に迫られるケースはもちろん、老後に再学習する方もおられます。

ただ人生の時間は有限です。永遠に継続、だけでは面白くない人もいるのではありませんか？私のように💦。

真面目な人ほどこの「継続は力なり」ということばに縛られ過ぎるような気がします。いつまでたっても自分は英語ができない、と思い込んで学習に余念がない・・・。もったいないです、人生が。

高齢者は継続よりも実践！

しばらく前ですが、新聞の投書欄で見つけた投稿です。

確か８０代の方（女性）だったと思います。英語をもう一度やり直すことにした、という内容です。

とても前向きですよね。この方も継続することの大切さを言っておられたような～。真面目な方なのでしょう。

実は１０年以上も前、７０代後半の方（男性）に初級レベルの英語レッスンを行ったことがありました。

最初にお会いした時にその方がおっしゃったのが「継続は力なりですよね」でした。本当にまじめな方で。

そのときに何も言えなかった私・・・。ほほ笑んでごまかしたような～💦。正直、複雑でした。
。

というのもその年齢から英語を初めて、どこまで継続できるのだろうか？という疑問が湧いてきたからです。

しばらく続けた後、その方は体調を崩されて英語も継続ならず・・・。とても残念でした。

この時にはっきりしたのが、高齢者に関しては継続よりも実践！ということです。

実践は力なり

仕事などで必要に迫られて英語その他の外国語を身に付けるというのは、実践の中で鍛えられるものの典型です。

高齢者の外国語学習もやはり実践で力をつけてはどうでしょうか？

その前にどのレベルに自分のご外国語能力を持っていくかを設定することも大切ですよね。ただ漠然と「継続は力なり」を信じて時間を過ごすだけになるからです。

高齢者の実践ですが、海外旅行に行くことができれば刺激にもなり英語などのちょっとした実践にもなります。もしそれが無理でも、原語で本や雑誌を読んだり映画を楽しんだり、日本にいても外国語を楽しむことは可能です。

「実践は力なり」といいましょうか、実践の場で失敗しながら身につけ、楽しんでしまうというのも決して悪くはないと思います。

まとめ

「継続は力なり」というように、何事も諦めずに練習などを続けることはとても大事なことです。でもただ続けるよりも実践の場でその技術を上達させていくことも大事だと思うのです。

特に高齢になると暮らしでの時間は増えますが、人生としての時間は大変限られてきますから。

ふとそんなことを思うようになりました。