少し前に「峠の釜めし」の話題がネットで目に留まりました。この峠の釜めし、なんだかすご~く懐かしいんです。
小さい頃、祖母が東京から帰る途中で釜めしを買ってきてくれたのを覚えています。空になった釜はもったいなくて捨てられず、よく遊びに使っていたものです。
峠の釜めしとは
峠の釜めしとは、群馬県安中市の「おぎのや」が製造販売している駅弁です。日本でも指折りの人気駅弁で、何といっても益子焼の釜に入っているのが特徴。
釜の中身は醤油味の炊き込みご飯。その上に鶏肉・しいたけ・タケノコ・栗・杏・ウズラの卵などがのっています。
そしてそれとは別に、キュウリ漬けやごぼう漬けなどの漬物が付きます。ひとつひとつを楽しみながら味わうのがまた良いんです。
中身をぱっと見ると、同じく群馬県のだるま弁当と似ていると思います。
ただだるま弁当は、だるまの形をした赤いプラスチック製容器に入っいるので、どうしてもあの益子焼の釜の方が一枚上という感じがするんです。「容器の雰囲気もいただく」ということかな?
その歴史
1885年、信越本線横川駅の開業時に創業したのが「おぎのや」でした。当初はおにぎりとたくあんのみの駅弁だったとか。
その後1958年にこの「峠の釜めし」が誕生。以来50年以上もの間多くの人から愛され続けてきた人気の駅弁です。
峠の釜めしを買う勇気?
私がまだ東京に住んでいた頃は、上野駅から直江津まで特急あさまが走っていました。途中の横川駅に止まると、電車の中からたくさんの乗客がホームに走り出てくるのがいつもの光景でした。
みんなのお目当ては「峠の釜めし」。
ホームには「峠の釜めし」売りのおじさんが立っていて、たくさんのお客さんに釜めしとお茶を売りさばいていました。本当によく売れていましたね。
で自分はといいますと、その様子を電車の窓から眺めているほうが多かったんです。本当は釜めしを買いたかったのに、飛び出していく勇気?がなくて・・・。
面倒くさいというのがひとつ。そして大勢の人の一番最後になって、やっと釜めしを手にした時には、特急のドアが閉まり乗り遅れてしまうのではないか~なんて本気で心配していたんです(笑)。
釜めしを抱いてホームにひとり取り残されるなんて悲しすぎます。面倒くさがり屋で気が小さい青春時代でした💦。
それだけに、たま~に勇気を出して釜めしを買った時には、嬉しさは格別!ほんわかとした温かさが手に伝わってきて、中を開けると私の好きな杏や栗がのっている・・・。
空になった釜を大事に実家に持って帰ったのはいうまでもありません。
横川駅ホームでは販売員さんたちが帽子を取って頭を下げ、電車を見送る姿が印象的でした。
峠の釜めしの今
新幹線が開通した今では、横川駅では釜めしを買うために電車からホームへ走っていく乗客の姿はありません。
しかしおぎのや本店をはじめ、サービスエリア、そして北陸新幹線「はくたか」内(高崎・軽井沢停車のみ)でも販売されています。また横川駅では今も少量ですが販売されているようです。峠の釜めしの実家?ですからね。
詳しくはおぎのやで確認してください。
さいごに
交通事情が変わった今もなお存在し続けている横川駅名物の駅弁「峠の釜めし」。最近東京のデパートで開かれた駅弁大会にも参加しました。
全国から集まった270種類もの駅弁のなかでも断トツの人気で、一日限定2000食が完売だったとか。今もなお「峠の釜めし」の人気は上々らしいのが嬉しいです。
最近はとんとご無沙汰している「峠の釜めし」ですが、群馬方面に行く機会があったら、買ってこようかな。