おもてなしアレルギーのひとり言

ただ今ラグビーワールドカップまっ最中、来年の真夏には東京オリンピックと訪日客の数は増すばかり。

そこで気になるのが、オリンピック招致で話題になったあのことば・・・「お・も・て・な・し」です。

あちらこちらで見聞きするようになりましたが、最近あの言葉を聞くとどうも気分が悪くなるという異常な性格に・・・。おもてなしアレルギーです。

おもてなしの氾濫

あの滝川クリステルさんが発した「お・も・て・な・し」の一言が、一挙に全国に広がりました。でももともと「おもてなし」が定評だったはずの日本のサービス。

それなのに「もっと良いサービス」を提供しようということで、ますます張り切り気味のサービス業の方たち。いやいやもう十分ですって・・・。

あちらこちらでおもてなし、おもてなしって、もう胃もたれしそうな変人です。

おもてなしって何?

おもてなしとは「心のこもった待遇」(Wikipedia)のこと。この「心のこもった」という部分が、提供する側によって違いが出てくるのですが。

ホテルや旅館、交通機関、商店などサービスを提供する側が、これが自分たちの「おもてなし」だと認識したやり方で、お客さんへの待遇を行うわけです。

またその「おもてなし」を受け取る側にも考え方や好みがあるため、提供された「おもてなし」への評価が分かれてきます。

「心のこもった」おもてなしとは、相手の気持ちを考えたサービスではないかと考えますが、あなたはいかがですか?

「おもてなし」でストレス

実は過去に「おもてなし」によってちょっとしたストレスを感じることがありました。観光地でです。

ただしこれはあくまでも「放っておいてくれたほうが嬉しい」という私の性格によるところが大きいのは確かです。

おもてなしといえば観光地、特に旅館やホテルでのサービスが真っ先に浮かびますよね。こちらもいろいろとお世話になります。しかしときには「もういいよ~」と叫びたくなるときさえあります。

ずいぶん前になりますが、両親と泊まった温泉ホテルでのことです。食べきれないほどの夕食に胸いっぱい。残った料理を目前に罪悪感💦。

翌朝チェックアウト後には、仲居さんが私たちの荷物を持って、わざわざバス停まで見送りに来てくださいました。

あのときは手厚いサービスにびっくりすると同時に、「もういいですから!」と言いそうになったほどでした。両親は「サービス良いね」と喜んでいましたけれど、正直私はちょっと疲れました。

もう一つは、私が通訳ガイドとして外国人のお客様を観光地にご案内した時のことです。

ある会社からの依頼で米国人ドクターの一日ガイドをしました。VIPですから貸切ハイヤーでの観光です。そこまでは良かったんです。

ところが車に乗り込むと同時に襲ってきたのが運転手さんの観光案内。それもしゃべりっぱなし。観光ハイヤーを頼んだとは聞いていませんでしたし、唖然とするばかりの私。

せっかく自分なりに用意していた案内もすべて没に・・・。

あのときはお客様にまったく通訳しないのも怠けているようなので、かなり適当でしたが勝手な英語案内を入れてごまかしたのを覚えています。同時通訳など無理ですし、何よりも道中が「うるさ過ぎ」ました。

運転手さんが一生懸命なのはよ~くわかりました。でもね、しゃべり過ぎ。今なら、案内は少し控えてもらうように頼めるでしょう。

でもあのとき、実は私の通訳ガイド・デビュー戦だったので、悲しいかな、そんな余裕は全くなかったのです。

その後何回か同様の仕事をしましたが、観光案内はしない普通のドライバーさんだったので助かりました。

逆に「こちらが知らないことを質問すると、それに答えてくれる」という何ともありがたい存在でした。

このように「おもてなし」によって、私のような変人客にはストレスになることさえあるというお話でした。

愛想を求めすぎる日本人

おもてなしといえば笑顔での応対が一般的には求められますよね、日本では。国によっては全く笑わない店員さんなどがいることもありますから・・・。

それに比べると日本のサービス業の方たちの「愛想」のよいこと。尊敬の笑顔です(笑)。

誰だって、怖い顔されるよりも明るい笑顔で応対してもらった方が嬉しいに決まってますよね。

ただ私たちはこの笑顔でのサービスに慣れすぎて、「普通の顔」での応対だと「愛想が無い」なんて文句を言ったりしませんか?

実はね、これも昔の話なんですが、笑顔をされてむかっときたことがあったんですよ。変なやつと思われるかも知れませんが、笑顔の応対をされて不快だったんです、ほんと。

沖縄に行ったときに利用した飛行機です。機内トイレを使用して出てきたのですが、トイレから出たとたん、新人っぽいCAさんの満面の笑顔が私の目に飛び込んできたのです。

もちろん乗客へのサービスのつもりで笑顔で「出迎えてくれた」のでしょう。でもね、トイレから出てきたお客は放っておいてもらった方がありがたいんですけど・・・。なんか恥ずかしいかったな~「笑われて」💦。

ところでホテルを選ぶ時、私は参考にユーザー評価をよく見ます。その中でよく見るのが、ホテルのスタッフに「愛想が無かった」というものです。

そりゃ優しい微笑みで応対されれば誰だって嬉しいけれど、無理やり愛想笑いをするのが一般的ではない国もあるはずです。

必要な手続きやサービスを的確に行ってくれるのであれば、愛想などそれほど問題ではないと思うのです。

あっ、すごく怖い顔だと嫌ですけれどね。緊張しちゃう(笑)。

最後に

「ほど良いおもてなし」とは・・・受けるお客の感じ方にもよります。しかしサービスを提供してくれるご本人が疲れすぎない程度の「お・も・て・な・し」がいいのです。

その方が心にも余裕が出て、結果的により良いサービスにつながるかも知れません。

あくまでもサービスを提供する側も受ける側も、「心地よい」ことが条件。特にお客の側は、過剰なサービスを求めすぎないことが大切です。

横断幕での歓迎や、粗品を配ったりして「おもてなし」に必死の様子を見ると、何だか辛くなります。それよりもちょっとしたさりげない心配りの方がありがたいですね。

「おもてなし」はそっと暖めておいて使うものではないでしょうか。おもてなしアレルギーのひとり言でした。

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