読売新聞(1/8付)をめくたら、「ネットの先に・圏外で心つながる」という記事が目に入ってきました。この「圏外」ということばですが、確か以前もどこかで見た覚えがあります。
この記事での「圏外」とは、電波が通じないためにネットにアクセスできない環境のことです。みなさんがいつも肌身離さず持ち歩いているスマホが全く使えない所というわけです。
となるとスマホはただの物。部屋に置いて出かけましょう~、って感じなのかな?
ネットの呪縛から解放
ネット社会の今日、逆にネットから解放されるためにアナログの世界を提供する「圏外」を売りにする施設が結構人気だとか。
例えば静岡県掛川市の明ケ島キャンプ場。一度は閉鎖に追い込まれたキャンプ場ですが、「ないことを売りにする」という発想の転換で成功した例です。今ではリピーターも多く、人気のキャンプ場となっているそうです。
電灯が「ない」から星空が良く見える。
花火も音楽プレーヤーも「ない」から、たき火や川のせせらぎ、風の音が聞こえる。
「ない」代わりに、もとから「ある」ものに気がつくわけです。
文通村の話
この記事には「文通村」のことも書かれています。
「文通」なんて久しぶりに聞きます。なんだか懐かしい~。
私も20代の頃、東ドイツの女性と文通をしたことがありました。あの頃「郵便友の会」か「日本ペンパル協会」で紹介してもらったと思います。
メールやSNSでの通信手段がほとんどともいえる今。実は文通がじわじわ人気が出ているそうです。この「文通村」が仲介サービスをしてくれます。サービス開始の2009年に会員3名だったのが、今では何と1400人以上だとか!
ただ面白い点が・・・会員に「仮想住所」が与えられるそうです。文通相手が見つかれば、相手の仮想住所とペンネームを書いた手紙を事務局に送り、転送してもらうというシステム。個人情報を明かす必要がないというわけです。まさに現代風ですね。
スピードの時代における「時間をかける楽しみ」なのかも知れません。ワクワクしながらポストを開けるなんて、郵便屋さんが聞いたら嬉しいでしょうね。
ネット依存という病
ゲームやSNSから離れることができないネット依存の人が増えている今日。特に中高生のネット依存は激増で93万人にも及び、5年前に比べ約40万人増えたそうです。またネット依存は病気の一種ととらえられ、ネット依存専門外来(東京)があるということは、相当深刻な現状なのでしょう。
「日本デジタルデトックス協会」の存在にいたっては驚くばかりです。脱ネット依存を支援する一般社団法人だとか。デトックスといえば、体内に溜った毒素を抜き出し体内を浄化することですよね。
デジタルデトックスの場合、「脳内に溜った毒素」を排出して、頭の中をスッキリさせるのが目的。現代人の頭の中は、情報という毒素で満タンになっているというわけですね。
とはいいながら私もこうしてネットを通じてブログを書いています。本もアマゾンで注文し、楽天市場も利用。旅行に至っては航空券もホテルもネット予約です。地方に住んでいると本当にネットに助けられます。
時には「ない」を求めて圏外へ
私のように昭和世代はある程度「ない」暮らしを知っています。でもネット社会に生まれて育った子供たちにとってはネット環境が「ある」のが普通。アナログ体験は、まるで未知の世界に思えるかも知れませんね。
大変便利なネット社会ですが、頭の中が情報で飽和状態にならないように、時には「ない」ところへ身を置くのも良いのでは?「ない」と「ある」のバランスが大切ですね。
さあ、時にはスマホのことは忘れて圏外へ脱出!
脳内断捨離の旅へ出かけてみませんか?