今日、郵便局のお兄さんがやってきました。この春に近くの郵便局に移動してきた人らしく初顔です。用件は保険の営業。ところがふとしたことから話は意外な方向へ。
お金の話から旅行の話へ
その初めての郵便局員さんは、私に保険を勧めにやってきたわけですが、私は早々に「もう保険には入らないよ」とはっきり断りました。
その方が彼にとっても時間の無駄にならずに済むと思ったからです。
それでも「あっ、そうですか」と即帰るほど機械的ではないのが郵便局の職員さん。ひとことふたこと雑談を交わして空気を暖めます。
そしてふと壁に飾ってある四角いボードに目をやりました。そこにはたくさんの絵はがきが画びょうで貼りつけてあったのです。そしてそこから熱い海外旅行談義のスタート。
絵はがきが刺激した?
絵葉書を無造作に貼りつけただけのボード。それはこれまで私が海外旅行に行った友人たちから届いた絵はがきでした。
もっとも最近はめったに絵葉書はもらわなくなりましたが、私が20代や30代だった当時はよくもらっていたものです。それらをまとめて飾りにしたのがその四角いボードでした。
その局員さんはボード上の絵葉書の集合を見たとたん、「すごいですね!」と叫んだのです。私自身も久々に色あせた絵葉書に目をやったほど、その絵はがきコーナーは部屋の片隅で壁の一部と化していたのです。
20数年前、東京から戻るときにどうしても捨てがたくて、ボードに貼ったまま私と一緒にUターンしてきました。そしてその色あせた絵葉書がきっかけで、私たちの海外旅行話が始まったのです。
海外旅行の話は封印していた?
そもそも旅行話というのは、その楽しみを共有できる人でなければ成り立ちませんよね。こちらが一方的に旅行の話をしても、相手には迷惑なだけです。
もし相手のことを考えずに、自分が楽しんだ旅行のことを熱く語るのは、ただの空回りにすぎません。大人としてはまずいです。
その郵便局員さんも、むやみに海外旅行話をすることは避けていたようです。まっ、常識のある大人としては当然のことではあります。
でもね、ひとって自分が大好きなことを誰かに話したいと思うものではないでしょうか。その彼も、自分が感動した旅行のことを誰かに伝えたいとずっと思っていたようです。
ただ海外旅行の話となると、なかなか話せる相手がいなかったといいます。プライベートでもそうなら、ましてや仕事で会うお客さんには、やたら自分の海外旅行の話などはできるはずもなく。
たまたま私のような海外旅行が年間行事の優先順位第一位という人間に会ったので、これまで封印してきた旅行の話題を勃発させたというわけです。
ただし彼が会ってきた人たちの中には、同じように旅行話を敢えて避けていたひとがいるかもしれません。
というのはツアーでなら海外に行っている人は、地方でも結構いるからです。高齢の方が多いですけれどね。それでもお互い熱く語れるかどうかはまた別の話。
海外旅行の話を共有できない相手の見極め
私は次のような人には、海外旅行の話は極力しません。
①海外旅行、あるいは外国に全く興味が無い人
当たり前ですが、この場合は海外旅行ネタでの会話は無理。相手にも悪い。
②すぐに「お金があるね~」という人
私はこのタイプが苦手。どうみても自分よりもはるかに裕福な人に限って、こんなことを言うのだから困りもの。逆に不快になるので旅行の話はしません。
③お愛想で「旅行の話を聞かせて!」などといってくる人。
本当に私の旅行話を聞きたいのかどうかは、話しているうちにわかります。ノリが悪いもん(笑)。もちろん途中で話題を変えます。
友人が旅行の話を聞きたいというときでさえも「本当に興味あるの?」と再度確かめてから話すことがあります。そのほうが安心?だからです。
お互い話題を共有できない無理のある会話をしていては、時間がもったいないですからね。
今の日本では、海外旅行は決してお金持ちだけの楽しみではありません。とはいってもやはり国内旅行に比べて、海外旅行は贅沢だとみなされがちなのも事実。
海外旅行ネタを披露する?相手はよ~く選ばないとね。
話題を共有できる嬉しさ
再び郵便局のお兄さんの話に戻りますが、これまで彼は年に一度くらいはLCCを利用してアジアの国へ行ってきたようです。
うちにやって来た局員さんの中で「海外旅行に行きたいんです!」とはっきり表明したのは彼が初めて。あとの方たちは「良いですね~。でもなかなか行けなくて。」とほほ笑んでお終いでした。
けっきょく私はその局員さんお勧めの保険には入らなかったので、そのお兄さんにとっては実のある会話ではなかったわけで、全くお気の毒でした。
でも彼がすごく明るい顔で玄関を出ていく姿を見ていたら、その人が今まで自分に禁じてきた海外旅行ネタでの会話を、一時でも解禁することに協力できたのかな?
少しでも気持ちがスッキリしたら嬉しいのですが。同時にこちらも楽しい話題を共有できたのだから良しとしましょう。
元海外駐在妻さんも抑え気味
ふとしたご縁で知り合った元海外駐在妻さん。とても気さくな方なので、初対面にもかかわらず話が弾みました。
彼女の場合、同じく駐在妻経験者や外国に興味がある人以外には、海外生活や旅行の話はしないことにしているのだとか。
「聞かれれば話す」程度だそうです。自分からいろいろ話してしまうと、「海外生活や旅行したことを自慢している」と思われてしまいそうだからです。
それは考え過ぎだという意見もありそうですが、やはり気を付けるに越したことはなさそうです。
海外に住むというのは、決して憧ればかりでは終わりません。それは実際に体験した人なら誰もがわかるはず。それでも駐在妻さんが「優雅」に見えてしまうのが島国日本。ヨーロッパのように陸続きならば、また違ってくるのでしょうけれど。
彼女からはいろいろ面白い話を聞くことができて、あっという間に時間が過ぎました。ただそれも興味が無い人にとってはただの海外自慢になってしまうのだろうか・・・。もったいない気がするけれど、人の受け取り方はいろいろだということ。
楽しい元駐在妻さんでしたが、彼女も「話したい気持ち」を日頃は抑えている大人でした。
楽しかった海外旅行の話をしたいときは、くれぐれも話相手を厳選です!