やまと尼寺精進日記~令和二年の年明けは?

令和二年最初の「やまと尼寺精進日記」は、高野山の境内から始まりました。そこにはご住職と副住職のお姿が・・・。

若松

高野山はご住職と副住職慈瞳さんが修行をされた地です。今回は、ご住職が奥の院へ若松をお供えするという大役を果たされる様子を見ることができました。

若松(クロマツ)はその名の通り、あまり年月を経ていない(3~4年目位)若い松のことです。お正月飾りによく使われますね。

松は寒さや雪に耐えて千年もの緑を保つといわれ、昔からおめでたい植物として親しまれてきました。

大判のマスク?をして若松をお供えするご住職は真剣そのもの。高野山での大事な儀式だということが伝わってきます。

若水

観音寺では、元旦と毎月第4日曜日に護摩祈祷が行われます。

今回は新年になった瞬間に、副住職の慈瞳さんが滝から汲んできた若水で護摩祈祷が行われました。信者の方たちのために数珠祈祷をしている真剣な慈瞳さん。いつものひょうきんな姿とはうって変わってお坊さんのお姿でした。こちらが本職ですもんね(笑)。

年越しに集まった人たちみんなでその若水を飲んでいましたが、冷たいんでしょうね。でも何だか気持ちが清々しくなりそうです。

*若水とは元旦に初めて汲む水のこと。一年の邪気を払うとされています。

年越しに観音寺には行けないので、新年早々に水道水を飲む?それでも自分にとっては「若水」ということになるかな?人間は気分、思い込みの生き物だから、良いと思えば良いのです。

しめ縄作り

恒例のしめ縄作り。今年も作り手の個性が表れるしめ縄が完成。見ている方も楽しくなります。自分でも今年の年末には挑戦してみようかなんて思いました。

実は一昨年、ツルウメモドキで作ったクリスマスリースの土台を近所の方からいくつもいただきました。リースなんて全く作ったことがなかった私ですが、何とかそれなりに作ってみました。

作ったのは良いのですが、わが家にはクリスマスリースというものを飾るところがろくにないのです。そんなわけで昨年はリースの土台は丁重にお断りしました。

ところが尼寺の様子を見ていてひらめいたのです。近くにはもう田んぼが無くなってしまったので稲穂つきの藁は手に入りません。でも例のツルウメモドキを頂いて和風にアレンジし、正月のしめ飾りの代わりにできるかも知れないと。

不器用なもので、どの程度できるかわからないけれど、やってみても良いかなと思います。

おせち料理

観音寺では「今年のおせちは去年のおせちにあらず」だとか。というのも全国から送られてくる野菜などで料理が作られるため、そのときにある材料をうまく生かしておせち料理が作れられることになります。そんなわけで毎年おせち料理の中身が変ってくるのです。

今回のメニューでいくつかヒントを頂きました。

ご住職お得意の酢和え。今年は福岡から送られてきたシークアーサー(皮も汁も利用)を入れることなりました。柑橘類の爽やかな香りと酸味が漂ってくるようです。

これを見ていて思いだしました。わが家の冷蔵庫にゆずが残っていたのです。シークアーサーの代わりにゆずを使えば良いわけです。

三が日が過ぎておせち料理にも飽きた頃、お寺では残っていた筑前煮や黒豆を入れて炊き込みご飯が完成。これも良いアイディアですね。またかまぼこはご住職が育てたクレソンと一緒に卵とじに。次々と創作料理が出来上がります。

お雑煮は麓の潤子さん式で白みそ仕立てでした。それも雑煮に入っている餅を、黄な粉につけて食べるというもの。お寺のお三方も初めての様子。来年のお正月は私もやってみようかな。

ご住職の出身地ではすまし汁でお雑煮、慈瞳さんの群馬では醤油(越後と同だ!)、そして大和では白みそ。お雑煮は本当に全国いろいろですね。

さいごに

大晦日の夜に懐中電灯を持ってあの坂を上ってくる麓の人たち。慣れているとはいえ、あの暗い山道を怖くはないのでしょうか。毎年のことだから平気なんですね。

「女はよくしゃべるな~」とこの番組を一緒に見ていた父が、またぼそっと言いました(以前も言っていた)。

そう、尼寺ではおしゃべりと笑い声が絶えません。この明るいおしゃべりと笑い声が料理の味をますます美味しくしているのかも知れませんね。

「やまと尼寺精進日記~令和二年の年明けは?」への2件のフィードバック

  1. ヒグさん、こんにちは。
    先月末のやまと尼寺精進日記では、潤子さんが作られたお雑煮を食べておられましたが、私の地元の天理市も潤子さんと全く同じでした。
    餅にきな粉を付けるは、奈良県でも全てでは無いと思われます。
    関西は小芋や金時人参で丸餅、白みそが定番と思います。
    両親が二十年余り前に亡くなり、嫁が作るお雑煮はすまし汁風になりました。
    嫁の両親は愛媛県の大三島と京都の丹後で、どちらのお雑煮か不明です。

    観音寺でもしめ縄を作っておられましたが、私の父は元々農家で藁があるのでしめ飾りを作っていました。
    農家は日銭が稼げないので、近くの青果市場で青果を仕入れて農繁期以外の時は行商をしていました。
    青果市場に来ている八百屋の方に頼まれ、年末にしめ縄をたくさん作っていました。
    昭和40年半ば頃からしめ縄を自動車に付ける事が関西では多くなりましたが何時の間にか全く見なくなりました。

    今年は暖冬の影響か雨が多かったですが、今日から週末は平年並みの寒さになりそうです。
    新潟は雪がたくさん降りそうですが、お体をご自愛下さい。

    1. 金星様
      コメントありがとうございます。
      お雑煮も全国いろいろですね。
      餡子が入った餅入りのお雑煮を食べる人もいると、愛媛県出身の人から聞いてびっくりしたことがあります。
      越後は醤油味で、野菜や山菜が入った具沢山お雑煮です。

      そういえばこちらでもお正月にしめ縄を飾った車をけっこう見かけたものですが、今はほぼゼロ。

      それにしても今日の越後は寒いです。今日、明日と雪マーク。二月が一番寒くて雪も多いのでこれが普通です。
      しかしこの冬は小雪で暖かかったので、久しぶりの冬らしいお天気は堪えます。除雪作業は極力したくないので、大雪はスキー場だけにしてもらいたいものです。

      大和路ではそろそろ梅の香りが漂う季節でしょうか。
      早春の観音寺参拝を楽しんで来られますように。

金星 義一 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です