東京から離れたら、いろいろ見えてくるものだね

東京からUターンして早25年。その間に実感したことを書いてみます。

これから都会に出る人も、都会から地方に戻るか移る人も、自分がいる場所でご機嫌に暮らせたら幸せですよね。

都会に出ていろいろ視野を広げるべきだ、なんてよく言われます。確かに都会にはいろんな物事があり、いろいろな人間もいますから、様々な体験が待っているはずです。

ならば都会の人間の誰もが視野が広いのだろうか~。そんなはずがあるわけもなく・・・。

都会に行った方が良い、というのは「同じ所ばかり見ていないで、違うところも見たら良いんじゃないの?」程度に捉えておけばいいのではないかな。視点が増えるということで。

地方に出てみる

逆に都会にばかりいないで「地方へ出てみたら?」ということばがあっても良いはずです。観光や週末農園などの遊びではなくて、もっと本腰を入れて地方に出てみるという意味でね。

日本は全てが首都東京に集中。大阪や名古屋も都会だけれど、やっぱり東京の引力にはかなわない。まるで東京という強力な磁石によって、何もかもが吸い寄せられていくようなもの。その結果が首都圏一極集中、もっと絞れば東京一極集中です。

東京が便利すぎる

初めて上京して驚いたのが、時刻表を頭に入れなくても、数分待てば電車がやってくるということでした。バスも地下鉄も飛行機も、何でもあります。駅や空港に行くにも簡単。おまけにスーパーもコンビニもすぐ近くの徒歩圏内。

私も毎日電車で通勤しましたし、仕事帰りには銀座や赤坂で楽しむこともよくありました。羽田や成田から飛行機に乗って旅行にも行きましたよ。空港に行くにも電車で簡単に行けますからね。

何でも手の届く範囲にあるのが東京。というのも同じ首都圏でも埼玉や千葉などでは、これが首都圏?かと思うほど不便なところもあるようですから、やっぱり東京が中心といえるでしょう。多摩地域の一部は例外ですが。

そういえば雪国生まれとしては、雪の降らない晴れた関東の年末年始は不思議に感じました。お天気が良いから華やかな着物を着た女性が初詣に行くことができるわけですね。あれが雪なんか降っていたら目も当てられません。

ただこうした便利さも、しばらくそこに住み続けるにつれて当たり前になってくるのです。それでも冬になると「故郷ではこんなことできないよな、雪降っているから」などと、心のどこかで思っていたものです。

東京を離れたいま、日本全体から見たら、東京の便利さが異常ではないかとさえ思うようになりました。地方から見たら恐ろしいほど便利だからです。

東京発信の情報は役に立たない?

ニュースなど情報のほとんどは、東京にある放送局から流されてきます。そんなわけで地方組には役に立たない情報も多々あるんですよ。

地方で働いている方ならお分かりですよね、「羽田空港なら、仕事を終えてから夜行便で出かけることができます!」なんて言葉は意味がないことを。地方組には関係ない情報です。

仕事終えてからなんて、東京行きの電車に乗るのも一苦労。おまけに遅くなれば電車も新幹線ももうありません。

真冬の朝に「今日も青空で~す」なんていっている能天気な民放の女子アナを見ると呆れます。それローカル放送でやってくれ!です。

ましてや一センチや二センチの降雪で、朝から大袈裟なニュースにするのも情けないことです。いくら首都圏が雪に弱いとはいえ、毎度のことに笑えます。

デパ地下の○○が美味しい~などという番組もありますよね。でも地方だとデパートなんて県庁所在地にかろうじてある程度なんだからね。どうでも良い情報ですが。

上京したらぜひあのデパ地下で○○を食べてみたい、と楽しみにしている人には役立つ情報でしょうけれど。

ファッション雑誌や芸能関係ももちろん東京や横浜からの発信がほとんど。それに影響されてか、中学生などは、吹雪の中でもスニーカー履いて通学。当然靴下はびしょびしょ。替えのソックスも持参するのだとか。もちろんそれもびしょびしょで帰宅。まったく何を考えてるのか~。

長靴履けよ!と檄飛ばしたいけれど、どうしても中央発信のファッションがかっこいいと勘違いするお年頃。説得する術無し(笑)。その土地の気候に合った服装をする知恵を身に着けて欲しいものです。

地方には「何もない」がある

何でもある東京。それとは反対に「何もない」地方。あっ、地方といっても県庁所在地と山間部などではもちろん差があります。ただここではあくまでも大雑把に言うと~ということです。

自然の他に「何もない」ということが、逆に都会から来た人には新鮮に映ります。だから休日に自然を求めて田舎に遊びに行ったりするのです。数日「不便を楽しむ」と、必ずまた便利な都会に戻ります。そこが彼らの落ち着く場所だから。

地方へ移住する人のなかには、「何もない」をうまく利用して「何か」を作り出す人もいます。地方創生だなんだと口先だけの政治家よりも、ずっと地に足がついているといえるでしょう。

都会に住むも田舎に住むも人生。両方を行ったり来たりもあり。どこが絶対に良いなんてことはないですしね。その時その場所で、自分にとって良いと思えれば幸せなんだろうな。

人間は慣れる生き物

地方から東京に出てしばらくすると、その便利さに慣れ、それが当たり前に思えててきました。その一方で地方に戻ったばかりのときは、不便さに苛立ったり降雪に嘆いたり~。でもたまに行く東京の人混みが苦手になりつつある今日この頃。地方の空間で暮すことが普通になってしまったようです。

人間とは慣れる生き物だとつくづく思います。

さいごに

東京から離れてみると、そこにいた時には気づかなかったことが見えてくる・・・あれもこれも中央からの発信で、地方はそれに従っているだけに思えてくるのが悲しい~。それでもみんな懸命に生きている姿を目にすると、グダグダ文句たれていないで、目の前の事に取り組まねばと思うのです。

だいたい地方が全部消えてしまったら、便利な東京も成り立たなくなるのは目に見えています。東京だけでは生きてはいけないから。だから東京の便利をもう少し平均に分かち合うためにも、そして何よりも災害時の対策のためにも、首都機能の分散が望ましいのです。

なかなかその気にならない日本政府。このぶんでは、東京が災害の被災地にならない限り、首都機能分散への動きはなさそうです。最近首都機能移転に動き出したインドネシアを見習って欲しいものです。指導者の実行力の違いかな。

いずれにしても東京から離れてみると、見えてくることがいろいろあるものだ、といういうお話でした。

「東京から離れたら、いろいろ見えてくるものだね」への2件のフィードバック

  1. 通信機能が発達している現代、各省庁を各県に分散してもいいのに…と、思いますが⁉️
    農林水産省は、新潟県ですかね️

    1. そうですよね。
      農林水産省は、海も山も平野もある越後に決まり!

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